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ファイアーエムブレム聖戦の系譜〜選ばれし聖戦の子供たち〜
第一章:光をつぐもの
第5話:愚王の末路
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肉を焼き様々な香辛料で味付けしたもの、子羊の胸肉の炙り焼き、鴨のスモークや雉のテリーヌ、新鮮なフルーツに年代物の葡萄酒、どれも宮廷ならいざ知らず戦陣ではおよそ考えられぬほどの食事である。他にも高山で特別に採れる果実で作られた菓子、生野菜、白身魚のシチューなど三十品はある。
「・・・・・・申し訳ありません」
 額から流れる血をそのままに、膝を地に着きながらシュミットは主君に詫びる。王はまだ何が言いたげであったがフォークでシレジアから特別に取り寄せたペガサスの生肉を口に入れその端から血を滴らせつつ言った。
「まあ良い。今は気分が良い故許してやろう」
「ははっ、ありがたきお言葉を」
 将軍は主君に応えた。
「明日こそはあの小僧の首を我が前に引きずり出し叛徒どもを一人残らずなぶり殺しにしてくれる!!シュミットよ、今度こそ失敗は許されぬぞ!」
「ははっ」
「さて・・・ガルザスよ」
 王は向かいに立つ銀髪に近い白髪と濃紫の瞳を持つ男に声をかけた。
「貴様はいつものように、わしの身辺を警護せよ。良いな」
「うむ」
 解放軍のダグダに匹敵するほどの長身だが全体的に筋肉質で虎か豹のような印象を与える。尖った顎が目立ちそれが見る者をさらに野性的な印象をを植え付ける。黒の肩当てと胸当ての鎧、赤い鉢巻とシャツに黒いズボンという出で立ちである。
「わしは良い用心棒を持った。おかげで今まで誰もわしを傷つけることが出来なかったのだからな」
 喋りながらくちゃくちゃと下品な音を立てて肉を食べ終え王は言った。
「晒し首の台を用意しろ。奴らの首を全て城の前に晒してくれるわ!」
 かくして作戦会議は終わった。
「くれぐれもお気をつけてください」
 夜が更け、やがて新たな戦いの始まりを告げる朝日が両軍を照らし出した。

 後にこの戦いはリボー会戦と称されるようになった。参加勢力は解放軍四万、イザーク軍七万、兵力において両軍には大きな隔たりがあった。かくして戦いの火蓋は切って落とされた。

 尚も斧騎士団との戦いが続く中、デルムッドとシュミットの一騎打ちが始まろうとしていた。
「敵将とお見受けした、勝負!」
「面白い、我が名はシュミット。この勝負を受けて立とう!」
「ありがたい、我は解放軍の騎士デルムッド、参る!」
「デルムッドか、覚えておくぞ!」
 デルムッドの剣とシュミットの斧が打ち合った。そして十合、二十合と打ち合わされたが、やがてシュミットの斧の動きが鈍くなってきた。それを逃さずデルムッドは剣を一閃させた。
 シュミットは胸から血を噴き出し落馬した。そして血の海の中小さく呟いた。
「ダナン様・・・お許しを!」
 そして事切れた。

 軍の後方にある本陣で数人の斧騎士団将校たちとガルザスに守られダナンは全体の指揮を執っていた。だが
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