暁 〜小説投稿サイト〜
英雄伝説〜灰の騎士の成り上がり〜
異伝〜奥義伝承の試し〜
[3/7]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
興味ありげな表情でシズナを見つめ、静かな笑みを浮かべて答えたシズナの説明を聞いたリィンは静かな表情で呟いた。



「それにしても老師(せんせい)もそうだけど、食えない兄弟子も酷いなぁ。弟弟子を”至らせる”為に私をけしかけて弟弟子の”成長の踏み台”にした事もそうだけど、弟弟子の”奥義伝承”の立ち合い人に当事者である私ではなく兄弟子の直弟子の一人のエリゼを選ぼうとしたのだから。」

「あー……老師の件はともかく、俺は意図的にお前さんを避けていた訳じゃないぞ?そもそも、お前さんの存在を初めて知ったのは老師からの手紙で、手紙にはお前さんの容姿等は記されていない上、”猟兵”のお前さんが先日の”大戦”が終わってからもリィン達と共に行動をしている事も知らなかったからな。」

意味あり気な笑みを浮かべたシズナに視線を向けられて指摘されたカシウス中将は疲れた表情で答えた。

「フフ、色々言いたい事はあるけど可愛い弟弟子の晴れ舞台に免じて”そういう事”にしておいてあげるよ。――――――だけどその代わり、立会人はエリゼではなく私が務めさせてもらうよ?」

「やれやれ……疲れている所をわざわざ呼び出したのに無駄足を踏ませてしまってすまないな、エリゼ。」

「いえ、ユン様の”直弟子”ではない私よりも、兄様やカシウス中将閣下と同じユン様の”直弟子”であるシズナさんの方が兄様が”至れる”かどうかの立会人と相応しい人物である事は理解していますのでどうかお気になさらないでください。この場で兄様が”至れる”かどうかを見届けさせていただける事だけで十分です。」

シズナの申し出を聞いて疲れた表情で溜息を吐いたカシウス中将はエリゼに謝罪し、謝罪されたエリゼは謙遜した様子で答えた。するとその時カシウス中将は鞘に収められている軍刀を取り出してリィン達に見せた。



「そ、その剣は……」

「へえ、兄弟子の剣では無さそうだけど?」

「え………どうしてカシウス中将閣下がその剣を……」

カシウス中将が取り出した軍刀を目にしたリィンが驚き、シズナが興味ありげな表情を浮かべている中、軍刀に見覚えがあるエリゼは呆けた表情で太刀を見つめた。

「ああ、私の件は既に捨ててしまっている。これは元部下から借りた軍刀――――――一応、八葉の流れを汲む者だ。老師の直弟子ではなく、エリゼと同じ私の直弟子の剣だ。」

「フフ、なるほど。という事はその剣が兄弟子の後継者でもある先日の大戦で白隼隊を率いた例の”元大佐”殿の剣か。」

(王国軍元大佐……クーデターで逮捕された後、赦されて民間調査会社を設立し、先日の大戦では白隼隊の司令官に抜擢されたという。)

カシウス中将の話を聞いたシズナが興味ありげな表情で聞いている中、リィンは真剣な表情で軍刀を見つめ
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ