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ファイアーエムブレム聖戦の系譜〜選ばれし聖戦の子供たち〜
第一章:光をつぐもの
第4話:二人の王子
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とトリスタンに連れられて天幕を出た。まだ周りに笑い転げているのを全く理解が出来ていないセリスであった。キョトンとし、なぜみんながこんなに笑っているのか、オイフェに目が問うたがオイフェもわかりません、と首を横に振り腕を組み首を傾げるばかりであった。

ーイザーク・ヨハン軍陣地ー
「殿下、リボーから反乱軍を討てとの伝令が来ておりますが」
 L字陣の下の部分であるヨハン軍本陣で、ロナンが主に報告する。
「ううむ・・・・・・」
 ヨハンが呻くような声を出した。
「どういたします?まだ動かないですかおきますか?」
「うむ。もう三日間待とう。それで何もなかったら一応攻撃しよう」
「わかりました」
「ラクチェ・・・・・・」
 解放軍の方を見てヨハンは愛しい者の名を呟いた。その時解放軍の白旗を掲げた一騎の使者が現れた。
「誰だ!?」
 オーシンとハルヴァンが迎えに出た。やがて二人は酷く慌てた様子で陣に戻ってきた。
「一体どうしたというのだ?」
 凄まじい勢いでヨハンの方へ駆け込んできた二人を見て彼は不可解そうに尋ねた。
「反乱軍からのし、し、し、使者ですが・・・・・・」
 普段いつも冷静なハルヴァンさえも完全に取り乱している。
「使者が!?」
 ヨハンは更に突っ込んだ。
「デルムッドと・・・・・・」
 オーシンは酸欠の川魚のように口をパクパクさせている。
「ラクチェです!!」
「ラクチェ!!」
 その名を聞くや否やヨハンは喜び勇んで白旗の方へ駆けて行った。その後もロナン、そして肩で息を切らしながらもオーシンとハルヴァンが必死に追いかけていく。
「ラクチェーーーーーーッ!!」
 両手を思い切り広げてヨハンはラクチェへ突っ込んでくる。それを見たデルムッドはドン引きしていたが当のラクチェ整った眉間を皺に寄せた苦虫噛み潰した顔をしている。
「ああ、ラクチェ・・・我が愛しの人よ・・・ついに運命の日は来たり・・・」
 俯き目を閉じ右手でヨハンを制したまま左の人差し指を額に当て眉をひくひくさせたラクチェは口を開いた。
「やめろ!気持ちが悪い!ここは戦場なのだぞ!とても正気とは思えない」
「私の心が、偽りではない証拠を見せる。愛は時に人を狂わせるもなのだ」
 腰の剣に手を掛けそうになるが思い止まり言葉をかける。
「セリス様からお誘いよ。解放軍に入って一緒に戦わないか、って」
「え!?」
「どうすんの?あんたもお父様を裏切るわけになるし心苦しいだろうから無理強いはしないわよ」
「・・・・・・そんなことは決まっている」
 ヨハンはラクチェを見て微笑んだ。それを見てラクチェの全身に寒気が走った。
(これはやっぱり・・・・・・)
 ヨハンが最も危惧していることを言うのだと勘で直感した。
「みんな」
 ヨハンは自分の軍の
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