第十二幕その十一
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そこに確かにボタン=ブライトがいました。気持ちよさそうに寝ています。その彼を見てトロットは言いました。
「またかしら」
「そうね、この子はね」
「いつも寝ている間に移動してね」
「他の場所に行くから」
「それも何処に行くかわからないから」
「オズの国の何処かにね」
「稀に外の世界にも行くし」
「オズの国の出入り口の傍だけれどね」
二人でお話します。
「それで今回もなのね」
「寝ている間に移動したのね」
「どうしようかしら」
「気持ちよさそうに寝ているし」
「このまま寝かせてあげてもいいけれど」
「私達のピクニックに参加させてあげようかしら」
「あれっ、誰かいるのかな」
二人がお話しているとでした。
ボタンは目を覚ましました、そして起き上がって左手で瞼をこすりながら言いました。
「ここ何処かな」
「エメラルドの都の小山よ」
トロットが答えました。
「そこよ」
「あっ、トロットさん」
「ええ、私よ」
「他の皆もいるね」
ボタンは皆も見て言いました。
「そうなんだ」
「今はピクニックをしているの」
「それで皆いるんだ」
「そうなのよ」
「成程ね、僕昨日の夜までクマセンターにいたけれど」
「寝ている間に移動したんだね」
ボームさんも言いました。
「そうなんだね」
「そうだね」
ボタンもそれはと頷きました。
「いつも通りね」
「そうだね」
「あの、貴方もここに来たから」
オズマはボタンにこう言いました。
「これから一緒にピクニックを楽しまない?」
「今からだね」
「ええ、どうかしら」
「僕も参加していいんだ」
ボタンはオズマに問い返しました。
「今ここにいるだけなのに」
「出会ったのが縁よ」
オズマはボタンに微笑んで答えました。
「だからその縁を大切にしてね」
「僕もなんだ」
「ええ、一緒にね」
「ピクニックを楽しむんだ」
「そうしましょう」
「それじゃあね」
ボタンはオズマの言葉に頷いてでした。
皆がいる絨毯のところに行きました、そしてお弁当箱も手にしていますが。
お握りとお漬けもののものです、唐揚げや野菜のおひたしもあります。
「これにしたよ」
「和風だね」
「うん、最近お握りが好きだから」
ボタンはボームさんに答えました。
「それでなんだ」
「お握りにしたんだね」
「そうだよ、お握り美味しいよね」
「僕もそう思うよ」
「そうだね」
「では今はお饅頭と包を食べているけれど」
それでもというのです。
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