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オズのボームさん
第十二幕その八

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「わずらわしいから」
「だからーーですーーか」
「ええ、最初から考えなくてよ」
 その必要がなくてというのです。
「いいのよ」
「そういうことーーですーーか」
「そうよ、快適よ」
 こう言うのでした。
「それでね」
「食べなくていいってそんなにいいのかしら」
 ベッツイは首を傾げさせました。
「果たして」
「あたしは快適よ」
 つぎはぎ娘はくるくると踊りながら言ってきました。
「それでね」
「貴女はいつもそう言うわね」
「それで寝る必要もなくてね」
「そのこともいいのね」
「だって一日中遊べるのよ」
 だからだというのです。
「それでよ」
「快適なのね」
「そうよ、身体も疲れないしね」
「この身体はこの身体で最高だよ」
 樵は人間の身体だった時のことも思い出して言いました。
「本当にね」
「確かにね」
 かかしも言います。
「本を読もうと思えば一日中だしね」
「灯りさえあればね」
「それで読めるしね」
「夜空を幾らでも見ることが出来るしね」
「このこともいいね」
「全くだよ」
「夜空を見てどの星座が何処にあるかを確かめる」
 ファイター大尉はにこにことしてお話しました。
「ロマンチックだね」
「大尉は星を見ることも好きなのね」
「そうなんだ」 
 ベッツイに笑顔で答えました。
「これもまた心の栄養になるよ」
「そうなのね」
「だからね」 
 それでというのです。
「僕としてはだよ」
「食べなくてもいいのね」
「そうなんだ」
「走ろうと思えばずっと走られるしね」
 木挽きの馬はこのことに喜んでいます。
「いいよね」
「そうそう、夜のお散歩もいいものだよ」
 ジャックもにこにことした感じです。
「夜のピクニックもいいね」
「そうだよね」
「お昼もいいけれどね」
「夜のピクニックとは斬新だね」 
 魔法使いはジャック達のお話を聞いてそれはとなりました、いつも通りタキシードにシルクハットでお洒落にしています。
「それはまた」
「ええ、けれどジャック達が楽しいのならね」 
 ドロシーは魔法使いに応えました。
「それならね」
「それでいいね」
「ええ、その人が楽しいならね」
「寝ることも楽しいし」
「私達はそれを楽しんで」
「そしてジャック達は夜も楽しむ」
「それもいいわね」
 こうしたお話をしながらです。
 皆で小山に向かい周りに適度に木々がある小山の黄色い煉瓦の道も進んでいってそうして頂上に着きました。
 頂上に着くとでした、オズマは笑顔で言いました。
「時間を見たらね」
「丁度いいね」 
 ボームさんも言います、二人共それぞれの時計を見ています。
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