第十二幕その七
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「まさにね」
「猫は猫舌でね」
「熱いものは苦手だね」
「そうだね」
トトはハンクの言葉に頷きました。
「言われてみると」
「温かいものは確かに美味しいしね」
モジャボロは神宝のその考えに頷いていました。
「そうだね」
「身体も温まるしね」
弟さんはお兄さんの言葉に頷きました。
「そう思うとね」
「いいね」
「うん、外の世界では衛生の意味でもいいしね」
「熱消毒をしてね」
「それでいいね」
「そういえば何故中国で食べものは冷えたものは好まれないか」
ムシノスケ教授が言ってきました。
「それはまさに衛生対策だったね」
「そうだったんだ」
「うん、食べものは絶対に煮るか焼くか揚げるか蒸すかしてだよ」
教授はジャックにお話しました。
「そうしてだよ」
「衛生対策をしていたんだ」
「火を通して熱消毒をしてだよ」
そのうえでというのです。
「安全な様にしていたんだ」
「そうだったんだね」
「中華料理が火の料理と言われるには理由があったんだ」
教授は強い声で言いました。
「これがね」
「昔の船は火がなくてね」
キャプテンはしみじみと言いました。
「大航海時代の時とかはね」
「嵐があったら火を使っている時大変だからね」
ビリーナが言ってきました。
「船が揺れて火もそれで揺れてね」
「燃え移ってね」
「私だってここに来た時嵐に遭ったし」
「そうだったね」
「ベッツイとハンクもそうだったしね」
「それで食べものもだよ」
「保存が効くものね」
ビリーナも言いました。
「塩漬けのお肉とかお魚とか固いチーズやパンとかね」
「それで冷たいものばかりだったんだ」
「そうだったのよね」
「わし等が外の世界にいた時は船も食事も遥かによくなっていたけれどね」
「何かその頃の船の食べものって美味しくなかったらしいね」
臆病ライオンは少し嫌そうに言いました。
「どうも」
「そうなんだ」
「うん、物凄く塩辛いお肉やお魚で」
臆病ライオンはまずは腹ペコタイガーにこのことからお話しました。
「パンも岩みたいに固い」
「そうだったんだ」
「それでそうしたもの以外にはないんだ」
「食べものがなんだ」
「そうだったんだよ」
「それが昔の船の食べものだったんだね」
「僕も我慢出来ないだろうね」
こう腹ペコタイガーに言うのでした。
「そんなものは」
「それを言うと僕もかな」
「君もそうだろうね」
「やっぱりそうだね」
「これはね」
「こうした時食べる必要がなくてよかったと思うわ」
ガラスの猫は歩きつつお澄まし顔で言いました。
「本当にね」
「そうーーですーーか」
「ええ、そんなこと考えるのってね」
ガラスの猫はチクタクに答えました。
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