248 敵は自分の杖
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次郎長が指示した。
「うん!」
かよ子はヴィクトリアに集中する。
「面白い!この女王に歯向かうとは偉そうな者共!!」
ヴィクトリアは杖を振るう。かよ子は短刀を向ける。だがヴィクトリアはかよ子の短刀を写し取り、杖を剣に変化させた。
「首を貰うわ!」
「させるか!」
小政がかよ子の盾となる。接近してきたヴィクトリアと鍔迫り合いとなった。
(これを山田かよ子の元に戻せば・・・!!)
小政はそう思った。
「こ、小政!!」
かよ子は小政に加勢しようとした。次郎長や石松、大政も援護にかかる。だが、ヴィクトリアは小政を弾き飛ばし、剣を元の杖に戻して周囲を冷凍攻撃した。
「さ、寒い・・・!!」
これでは身体が凍りついてしまう。その時、かよ子は武装の能力を発動させた。かよ子は突進する。
(力ずくでもこっちから近づけば・・・!!)
かよ子はヴィクトリアの攻撃を武装の能力で防御しながら近づいて杖を取ろうとした。
「ふ、馬鹿め、近づいたところで私から杖を奪えると!?」
ヴィクトリアが杖を光らせて自分自身に向けた。そしてかよ子が近づく五歩手前で拳を振り上げた。するとかよ子が触れられてもいないのに顎を殴り上げられた。
「な、何で・・・!?」
かよ子は下顎の歯が砕けたかのような痛みを感じる。
「小娘、お前は杖の能力を博しきれてないようだな。杖には先からただ炎や氷をだして攻撃するのみではない。このように自分自身を強化して格闘戦を可能にもできるのだ。そんな奴が何故今まで来れたのか不思議でならぬ」
「あの杖、そんな使い方あったの・・・!?」
かよ子は母親から杖を引き継がれた時、杖の使用法を著した説明書を幾度も読んだが、そのやり方は一度も使用しなかった。そもそもそのような記述があったのだろうか?
(でも遠くからでも近くからでもこの人を突破できない・・・)
かよ子は攻略法に苦心する。大政の槍も綱五郎のピストルも杖による肉体強化で防がれた。
「私は、あれでもまだ使いこなせなかった。だからあの時も杖を簡単に盗られたの・・・!?」
「あの時」とはかよ子は杖を奪われた二回である。一回目はクリスマスの合唱コンクールの帰りにあった入鹿という男から善人のフリをされて騙し盗られた時、二回目は「この世界」でヴラド三世にうっかり奪取を許してしまった時である。
(ならどうすれば、もっと使いこなせるの・・・!?)
「山田かよ子、どう使いこなせるかは後で考えよ!」
「う、うん!!」
(いけない、おっちょこちょいしちゃった・・・!!)
かよ子は気を取り直し、短刀で迎撃する。しかし、手になかった。
「あ・・・!!」
かよ子は先程殴られた時に短刀が手から離れていた事に気付いた。
「しまった!!短刀が
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