第2部
ダーマ
再びバハラタへ
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そこまで考えてふと、啓示を受けたとされるユウリのお母さんの方はどんな人なのかと疑問が湧いた。
「じゃあさ、ユウリのお母さんはどんな人だったの?」
そこまで言って、随分と不躾だったかなと後悔した。もし、彼のお母さんもお祖父さんのような考えだったら……。
「……俺が勇者だと知っていても、一人の人間として見てくれていた唯一の人だ」
その一言だけで、ユウリのお母さんがどんな人なのか、そして彼がお母さんのことをどう思っているのか、少しだけわかった気がした。
「そっかあ……。そんな人なら、私も一度会ってみたいな」
「なっ!?」
私の呟きに、なぜかユウリはひどく驚いた顔をした。
「そ、そんなに驚くこと?」
私としては、ユウリを育ててきたお母さんがどんな人なのかが気になったから、そう言っただけなのだけど。
「いや、何でもない。お前に限ってそんなこと考えてるわけないよな」
「そんなことって、どんなこと?」
「うるさい!! 何でもないって言ってるだろ!!」
驚いたと思ったら、急に私に怒鳴りちらしてきた。ホント何を考えているのかわからない。相変わらず怒りの沸点がわからない勇者の態度に、私はため息をつくしかないのだった。
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