247 頑丈な戦車の宿命
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三河口は戦車の翼に鎖を巻き付けた。凧揚げをしているような構図となったが山田の戦車も強引に遠ざかったり近づいたりしようと試みているのも確かである。三河口は足が地から離される。
「お、お兄さあん!!」
冬田は絶叫する。湘木もまた木の能力を使用して太枝で戦車を叩き落とそうとした。しかし、それもまたかわされる。三河口には幸い彼の武装の能力が働いていた為当たる事はなかったが。そして三河口の元にレーザーの砲身が向けられる。
「今度こそお陀仏だ!!」
三河口は武装の能力で自身および周囲の防御を全開に行う。しかし、レーザーは三河口の顔すれすれに放たれた。
(武装の能力が効いてないだと!?)
三河口は武装の能力が効いていないと確信した。このレーザー光線は武装の能力の影響を受けない物であると理解した。
「このままじゃ三河口がやられる!!」
湘木が斧を振って戦車を大木で叩こうとするが頑丈でなかなか地に落ちない。山田はレーザー光線をもう一度発射する。
(このレーザー光線は武装の能力などの効果を受けないようにできているのだ・・・!!)
次でレーザー光線を当てれば下に吊り下がっているようにしがみつく高校生を焼き殺せる。そう山田は思った。しかし、発射できなかった。
「なぜだ。なぜ発射しない!?」
山田には理解不能な事だった。
「赤軍め、そんな外道な事をするなど許しませんよ!」
一人の男性が訪れていた。
「宿命を変えましょう!」
男性は持っている杖を地面に向けて叩く。戦車が飛行機能も失って地に落ちた。三河口は戦車に巻き付けた鎖鉄球を独楽回しのように戦車を回して解いた。
「今です!」
「よし!」
湘木が水を出し、冬田が羽根から金の砲弾を出して戦車を攻撃した。
(お、覚えてろ・・・!!)
先程の三河口の攻撃で目を回し、介入してきた男の加勢もあり、形勢を逆転された山田は戦車を高速で走らせて撤退した。
「無事でしたか?」
「ああ、ところでアンタは?」
「私はエイブラハム。嘗てアメリカの大統領として生きた者です」
(エイブラハム・・・。あのリンカーンの事だな)
三河口はそのエイブラハムには落ち着きのある気配が漂っており、信用していいと思った。
「三河口健に湘木克也。剣の奪還の活躍は聞いております。貴方達は確か杖の奪還に協力しようとする者達ですね?」
「ああ」
「その杖を奪った者は今元の所有者と交戦しているでしょう。急いだ方がいい」
「解った。そうだ、アンタにもこの御恩はきっと返す。また一緒に戦ってくれるか?」
「ええ、いつでも」
「それでは失礼」
三河口は冬田の羽根に乗って行った。
「きっと杖は取り返せる宿命にある、そう私は信じたい・・・」
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