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展覧会の絵
第十五話 ユーディトその三
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にだというのだ。
「敵の首を斬り落とせたんだ」
「女の人でもそれができるの」
「男であっても女であっても確かな信仰を持っていれば」
 どうかとだ。十字は雪子のその目を見ながら話していく。誰も何も知らないと内心得意げになっているその目の底にあるものをも見ながら。
「敵を倒せるよ。悪もね」
「悪もなの」
「ユーディトはヘブライの民の敵を討ったけれど悪も討てたよ」
「信仰があるから」
「そう、討てたよ」
 それができたというのだ。
「僕が描いている絵の様にね」
「信仰があれば悪い奴も倒せるの」
「勿論その信仰は正しい信仰でなければならないけれど」
 邪な信仰のままそうしてきた者も多いのだ。キリスト教だけでなくあらゆることにおいて邪な考えや信仰に基きそうしたことをしてきた者もいる。しかしだというのだ。
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