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おぢばにおかえり
第七十二話 キャンバスライフその十七

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「その先生どんな環境で生きてきたのよ」
「元不良らしいですけれどね」
「冗談抜きで家ヤクザ屋さんじゃないの?」
 本気で思いました。
「それかDVが普通のお家とか」
「それありそうですね」
「そうよね、けれどね」
「あくまで特別な例ですか」
「だから普通と考えないの」
 異常は異常です。
「本当にね」
「そうですか」
「部活もね」
 こちらもです。
「少なくとも天理高校じゃ問題になるから」
「なりますか」
「後輩の子いじめて丸坊主になったお話あるけれど」
 何処か部活で、です。
「そこまでしてないし」
「何度も殴ったり蹴ったりですか」
「そんなことはね」
 到底です。
「ないわよ」
「剣道部の顧問なのに竹刀蹴ったりとか」
「あのね、それって吹奏楽だと楽器蹴ることじゃない」
 吹奏楽部だったのでこう連想しました。
「そんなこと誰がするのよ」
「しないですか」
「おみちだと太鼓とかちゃんぽん蹴とばすことじゃない」 
 こうも連想しました。
「その先生が有り得ない位おかしいのよ」
「そうなんですね」
「そんな先生を標準にしないの」
「異常と思うことですか」
「その先生本当に人間?」
 こうまで思いました。
「出来損ないじゃないの」
「まあ性格はそうですね」
「そもそも奈良県ってそんな先生が普通にいられるのね」
「今も担任してますよ」
「有り得ないでしょ、それでその有り得ない人をね」
 新一君にあらためて言いました。
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