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イベリス
第七十七話 夏休みの勉強その十二

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「そうした連中が権力を握ったらな」
「粛清ね」
「それに遭ってな」
「殺されていくのね」
「粛清なんてあるとな」
 それこそというのだ。
「まずその権力者の邪魔なると思った人間はな」
「真っ先に殺されるわね」
「そしてだ」
 そのうえでというのだ。
「そんなことを言う馬鹿もだ」
「粛清されるのね」
「世の中の役に立たないと思われれば」
 その時はというのだ。
「もうな」
「粛清されるのね」
「それが粛清なんだ」
 そう呼ばれることだというのだ。
「自分達の邪魔そしてだ」
「役に立たないと思われたら」
「そうなるんだ、そして粛清される時になってな」
 まさにその時にというのだ。
「どうして自分がとか自分だけ助かろうとな」
「必死になるのね」
「醜く泣いて叫んで命乞いをしてな」
 父は軽蔑を込めて話した。
「他の人を盾にしてでもな」
「自分だけ助かろうとするのね」
「他の人が殺されても何も思わないんだ」
 権力に逆らうという者達がテロを行っても権力に逆らっている者達は行ったのだからいいと言ってというのだ。
「それなら自分はどうか」
「自分が殺されるとなったら」
「そんな奴は自分はな」
「大事なのね」
「他の人にそんなこと言う奴はな」
 その悲しみや苦しみ、痛み、そして命を何とも思わないならというのだ。
「逆にだ」
「自分は大事なのね」
「自分が一番というか自分だけがな」
 まさにというのだ。
「大事なんだ」
「それでそうなったら」
 粛清の犠牲になりそうになると、というのだ。
「自分だけは助かろうとするのね」
「どんな醜い真似をしてもな」
「他の人はどうでもよくて」
「そうだ、そんな人間は何があっても更正もな」
 これもというのだ。
「する筈がないな」
「とことん醜く生きて」
「醜く死ぬんだ」
「そうなるのね」
「友達に持ってもな」
 例えそうしてもというのだ。
「自分の都合でだ」
「裏切るのね」
「人の命を何とも思わない奴は信頼も何とも思わないものだ」
「自分しかないから」
「自分の都合でな」
 まさにそれでというのだ。
「裏切るからな」
「お友達にも持ったら駄目ね」
「絶対にな」
 それこそというのだ。
「男でも女でもな」
「性別に関係ないのね」
「お父さんが今言ってるのはどっちも男だがな」
 どちらの店員もというのだ。
「馬鹿に性別は関係ないんだ」
「女の人でもいるのね」
「もっと言えば人種も宗教も関係ない」
「何処でもそうした人いて」
「信用出来ないんだ」
 そうだというのだ。
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