第七十七話 夏休みの勉強その七
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「何が人間なのか」
「殺される人達のことがわからないで」
「権力に反対してもしなくてもな」
「何の意味もなく巻き添えとか私利私欲で殺される人のことを考える」
「そんなことが出来なくてな」
それでというのだ。
「人間なのか」
「ううん、もう出来損ない?」
咲は腕を組み考える顔で述べた。
「人間の」
「そうだな」
父もそれはと答えた。
「人間の身体でも人間の心になっていない」
「出来損ないね」
「そこまで馬鹿だとな」
それこそというのだ。
「付き合う方も採用する方もな」
「問題ね」
「そうだと思う、その店員を雇った店は数年後親会社ごと潰れた」
「そうなったの」
「ああ、店が出来てすぐだったが」
それでもというのだ。
「その店員がいてな」
「採用して」
「それで数年でだ」
「お店潰れたの」
「親会社ごとな」
そうなったことも話した。
「なくなった、あっという間だった」
「そんなに早く潰れたのね」
「どうも親会社もおかしくなっていたらしい」
店を運営していたその企業もというのだ。
「出版社だったがな」
「そうだったの」
「ゲーム雑誌を出していて編集者がゲーマーの人がやる様になった」
「ゲーマーの人が?」
「それでゲーマーの人の好みばかり出てな」
個人的なそれがというのだ。
「時代の先も読まないでな」
「ああ、好きなゲームばかり紹介して」
「記事を書いてな」
「それじゃあね」
「そうだ、おかしくなるな」
「だってゲーマーはゲーマでしょ」
咲は言い切った。
「それでね」
「雑誌は編集者が作るな」
「ライターの人とかね」
「それがなくなってな」
「そうした人達が記事書いて」
「もうそれぞれの好みばかりでな」
そうした雑誌になってというのだ。
「経営もだ」
「おかしくなったの」
「それであっという間に傾いてな」
「潰れたのね」
「会社は時としてあっという間に潰れるんだ」
父は遠い目になって話した。
「傾いても戻ったりしてな」
「そのまま潰れたりもするの」
「その会社はあっという間だった」
「潰れる方にいったのね」
「そうなった、そこでお父さんは思ったんだ」
咲にやや遠い目になって話した。
「親会社ごとおかしくなっていたんだってな」
「そのお店は」
「ああ、そんな出来損ないみたいな馬鹿な店員を雇う位な」
「そんな人を雇うならなの」
「潰れるってな」
「まあ人の痛みや苦しみや悲しみをわからないわかろうともしないじゃね」
「そんな人間を雇う位ならな」
そうした店ならというのだ。
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