第十二幕その五
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「そうししようね」
「食べられる人達はね」
「そして君達はだね」
「食べて飲んで喜ぶ皆の笑顔を見てだよ」
樵は臆病ライオンに答えました。
「心の栄養にするよ」
「そうだね」
「そう、そしてね」
そのうえでというのです。
「満足させてもらうよ」
「それではね」
「確か小山の頂上にはお弁当の木があるね」
腹ペコタイガーはこのことを言いました。
「お弁当が実になっている」
「うん、水筒の木もあるよ」
トトが言ってきました。
「そちらもね」
「じゃあ飲んで食べられるね」
「そうだよ」
まさにというのです。
「君も好きなだけ食べられるよ」
「じゃあ最初は何を食べようかな」
舌なめずりしての言葉でした。
「一体」
「思いつくものを食べればいいんだよ」
魔法使いは腹ペコタイガーにアドバイスしました、黄色い煉瓦の左右の緑の見事な草原とそこにいる生きもの達を見ながら。
「君のね」
「何でもいいんだね」
「これだと思ったものをね」
「最初に食べればいいんだね」
「その次に食べるものもね」
そちらもというのです。
「そうしたらいいよ」
「そういうことだね」
「そう、沢山の食べものがあってね」
そうしてというのです。
「何でも食べていいのなら」
「これだと思ったものをだね」
「食べればいいんだよ」
「それだけだね」
「そうだよ、それだけだよ」
まさにというのです。
「難しく考えることはないんだ」
「そうなんだね」
「簡単に考えて」
そしてというのです。
「食べていけばいいよ、迷う必要はないよ」
「そうね、迷っても美味しいものを食べるのならね」
トロットは笑顔で言いました。
「それならね」
「うん、難しく考えて迷ってもだね」
キャプテンも言います、義足の方の足も普通に軽やかです。
「どのみち美味しいものを食べるんだから」
「迷うことはないわね」
「そんな必要はないよ」
「そういうことだね」
「サンドイッチもお饅頭もいいし」
ベッツイも言います。
「何でもね」
「あったかいのがいいですよね」
こう言ったのは神宝でした。
「何といっても」
「あっ、貴方はそうよね」
「はい、今は冷えたものも食べられますが」
神宝はベッツイに答えました。
「それでも基本は」
「温かいものね」
「中国ではです」
「冷たいものよりもね」
「温かいものが喜ばれるんです」
「そうよね」
「最近はお刺身やお寿司も食べますけれど」
それでもというのです。
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