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レーヴァティン
第二百七十話 禍々しさを知りその一

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                第二百七十話  禍々しさを知り
 こちらの世界では今はだった。 
 英雄達も久志達もクトゥルフと彼の眷属についてあらゆる文献や伝承を漁り調べていった、そしてだった。
 久志自身文献を読んだ、そのうえで夕食の時に仲間達に話した。
「神様だけあってな」
「強大極まるな」
「ああ、そりゃ世界を海に沈めることだってな」
 正に応えて話した。
「もうな」
「何でもなく出来るな」
「全くだぜ」
 アイスバインを食べつつ言った、今日のメインはそれであった。
「本当にな」
「その姿を見れば気が狂う」
「それがまず厄介だな」
「そうだ」
 まさにと言うのだった。
「そしてその力を強めてだ」
「世界に自分の姿を見せてな」
「そしてだったんだな」
「世界を石に変えた」
「そうだよな」
「あまりにも恐ろしい姿を見るとな」
 そうなると、というのだ。
「狂うどころかだ」
「石になるか」
「この世のあらゆるものがな」
「あれか、メデューサだな」
 久志はギリシア神話に伝わる女怪を思い出した、尚元は女神であり彼女を忌み嫌った女神アテナのもとの女神であるとも言われている。
「それだな」
「そうだ、メデューサもだな」
「ああ、その姿を見たらな」
「石になったな」
「恐ろしさのあまりな」
「それと同じでだ」
 正は英雄に話した。
「クトゥルフの姿を見るとな」
「あいつが力を強めるとか」
「発狂どころでなくな」
「石になった」
「それで全世界がか」
「石になった、そしてだ」
 そのうえでというのだ。
「石になった世界を海に沈めた」
「そうしたな」
「水の邪神です」
 今度は順一が言ってきた。
「ですから」
「海をどうするかなんてな」
「まさにお手のもので」
 それでというのだ。
「世界の全てを沈めることも」
「可能だな」
「そうかと」
「恐ろしい力だしな」
 久志はじっくりと煮た豚の塩漬けの腿肉を食べつつ述べた。
「調べれば調べる程」
「全くですね」
「神様の力ってのは凄いな」
「何でも我々と戦う時は普段は二百四十から九十の強さでも」
「力を全部解放したらな」
「その時の神はです」
「そんなレベルじゃないな」
 ワインを一口飲んだ正に述べた。
「もうな」
「千にもです」 
 そこまでというのだ。
「達するそうで、ですが力を全て解放しますと」
「神様でもそうしたらな」
「長い間それは行えないとか」
「そうらしいな」
「神といえど限度があるということでしょう」
「その力にだな」
「そうかと」
 こう久志に話した。
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