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展覧会の絵
第十四話 泣く女その九
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事も難しい顔でだ。こういうのだった。
「同じ奴としか思えない」
「ですね。それでこいつですけれど」
 無残な達磨、目も下顎もなくそれでいて断末魔の恐ろしい顔を血の中に見せている男の顔を見下ろしてだ。若い警官の一人がこう言った。
「上田ですよね」
「ああ、闇金のな」
「闇金だけでなく他にも色々やってたそうですね」
「人身売買、それに臓器売買か」
「闇金で払えなかった場合にそうしてたんですね」
「ずる賢くて尻尾を出さなかった」
 それが為に今まで捕まえられなかったとだ。刑事は忌々しげに答えた。男の骸を見ながら。
「捕まえられなかったがな」
「それがですね」
「ああ、この結末だ」
「ただの達磨じゃないですね、これは」
「人豚だな」
 刑事も知っていた。この死体の姿は。
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