第七十二話 キャンバスライフその十六
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「有り得ないから」
「僕の通っていた中学校ですけれど」
「その先生普通通報されるでしょ」
「されてもクビにならないでしょうね」
「普通はなるから」
私の常識の中ではです。
「ヤクザ屋さんか朝鮮労働党じゃないのよ」
「というか北朝鮮ですからね」
「そうなの」
「何か先生の労働組合って」
確か日教組とかいいました、うろ覚えですが。
「あの国の教育が理想らしくて」
「北朝鮮の教育って」
「想像出来ますよね」
「あの将軍様への個人崇拝じゃない」
他に思い当たりません。
「あんなのないわよ」
「その教育がなんですよ」
「理想なの」
「そうした組合の人が奈良県多くて」
「先生がそんな暴力振るっても」
「全くです」
何もというのです。
「責任問われないんですよ」
「殴られても殴られ損、いえ」
以前の新一君のお話を思い出して彼に言いました。
「床の上で背負い投げされても」
「あとリンチ技浴びせられても他の部活の生徒の前に引きずり出されて馬乗りにされても」
「何でそこまでしてクビにならないの?」
何度聞いても不思議です。
「一般社会じゃ犯罪でしょ」
「その犯罪を受けるんで」
「部活に入らないの」
「中学一年でこの話聞いて決めました」
その時点でというのです。
「そんな暴力受けたくないですから」
「それかなり異常なケースよ」
「普通にないですか」
「ある筈ないでしょ」
幾ら何でもです。
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