第十四話 泣く女その五
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そのうえで自らも身体を動かしながらだ。雅は答えてきた。
「それに楽しいです」
「そうだよ。御前はこうされて喜ぶ変態なんだよ」
「この変態が」
「それで御前は何だ?言ってみろよ」
「豚です」
自分からだ。雅は言った。
「雌豚です。奴隷以下です」
「そうだよ。手前は俺達の豚なんだよ」
「こうされて滅茶苦茶にされて喜んでる豚なんだよ」
「わかったか、この豚」
「許婚のあいつより俺達の方がずっといいだろ」
「はい、猛とは何もしていないですけれど」
これはその通りだった。二人の仲は何もない。
だがそれでもだとだ。雅は言うのだった。
「けれどそれでもこうしていて」
「だろ?じゃあこれからもな」
「こうして相手してやるからな」
「ほら、あいつよりずっといいことしてやるぜ」
「楽しませてやるぜ」
四人はこう言いながら雅を弄ぶ。そうしてだ。
その全身を汚らわしい白で染めていく。その醜い宴が終わってからだ。
由人がだ。全裸のまま葉巻を吸いながらだ。そのうえでベッドの上に呆けた様で横たわる雅に言ってきた。その白く濁ってしまった雅に対して。
「さて、最後の余興だ」
「えっ?」
「君達、彼を紹介してあげ給え」
「ええ、今日のメインイベントですね」
「それですね」
「そうだ。それをしよう」
由人は四人にもだ。葉巻を吸いながら話す。
「いいね。彼の猿轡と覆面を取ってあげなさい」
「何かずっと見ていましたね」
「もうこいつから目を離してなかったですよ」
「当然だ。目の前で許婚があられもない姿で他の男達と楽しんでるんだ」
話す度にその口髭がいやらしく動く。
「それで目を離さない筈がない」
「理事長先生も残忍ですね」
「えげつないことを楽しみますね」
「あの娘が考えたことだよ」
由人は悠然とした笑顔で四人に彼女のことを話に出した。
「しかしそれでもだ」
「ええ、あいつのお陰でこうしてですね」
「楽しませてもらってますね」
「じゃあその最後の余興」
「それをしましょう」
四人はこう応えてだ。そのうえでだ。
動けず凝視しているだけだった猛のところに来てだ。そのうえでだ。
覆面を剥ぎ取った。しかしだ。
猿轡は取らなかった。そのうえで菅がこう由人に言った。
「喋ったら五月蝿いですよ」
「それもそうだな」
「ええ。それよりも無言で相手を見るってのもいいんじゃないですか?」
「それもそうだ。言葉が出ない方が効果がある場合もあるな」
「ええ、じゃあこのままで」
「いよう。さてだ」
菅に応えてだ。そのうえでだった。
由人はあらためて雅に顔を向けてだ。こう彼
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