第十四話 泣く女その四
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「ではだ。宮本君」
「・・・・・・はい」
「今日もいいね」
「お願いします」
「宮本って・・・・・・」
間違いなかった。雅の名字だ。
「そんな。どうして雅が理事長と。しかも」
尚且つだった。それに加えて。
「今日もって。どういうことなんだ」
「では今からだ」
「はい、お願いします」
こう言ってだ。そのうえでだ。
雅は手を縛られたままだ。由人の前に跪き。
奉仕をはじめた。その有様は猛にとっては否定せざるを得ないものだった。
悪夢にさえ思えた。それでだ。
夢だと思い否定しようとした。起きようと思った。
「これは夢なんだ、夢だから」
だからだと言いだ。そうしてだった。
何とか目覚めようとした。だが目覚めない。それでだ。
光景は続いていた。雅は由人に奉仕を続けてだ。
由人は勝ち誇った様な顔でだ。こう己に奉仕する雅に言った。
「では今からだ」
「ベッドに」
「ベッドで楽しませてあげよう」
「では」
雅は虚ろな、そう見える目で頷いた。それからだ。
自分からベッドにあがり由人を迎え入れた。それは猛にとってさらなる悪夢だった。
悪夢は続きだ。そうして。
由人は抱く雅に対してだ。下劣そのものの笑みでこう問うた。
「君に聞きたいことがある」
「えっ?」
「君には許婚がいるね」
「猛のことですか?」
「彼には抱かれたのかい?もう」
このことをだ。由人は雅に、その猛の目の前で問うたのだ。
「どうなのかな。それは」
「それは」
「正直に言いたまえ。さもないと」
どうするかとも言うのだった。
「止めるよ」
「そんな、それは」
「止めて欲しいのかい?」
「お願いです、それは」
雅の口調が変わった。しかもだ。
自ら腰を動かし両脚、その白くすらりとした見事な両脚をだ。
由人の腰に回して捉えてだ。こう言うのだった。
「しないで下さい」
「では言いなさい」
教育者の言葉は。今はこのうえなく下賤なものだった。
「どうなのだね。抱かれたのかい?」
「いえ」
首を横に振ってだ。雅は答えた。
「まだです」
「そうか。しかしだ」
由人は雅の返答を聞きながらさらに言う。
「君はこうして私に抱かれているね」
「はい・・・・・・」
「気持ちいいか?楽しいか?」
「凄く・・・・・・いいです」
今度は自分から腰を蠢かしながらだ。雅は答えた。
「ですから今日もお願いします」
「そうか。では欲しいのだな」
「私の中に」
こう言ってだ。自分から由人の醜い身体を抱き締め身体を動かしてだ。
彼と交わる。そしてだ。
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