第十一幕その十一
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「反省しているよ」
「貴方が?」
「うん、ペテン師じゃなくて手品師でね」
魔法使いは実はというのです。
「それで国を乗っ取ったんじゃなくて」
「違ってだね」
「その時誰もオズの国全体を治める人がいなくて」
それでというのです。
「たまたまオズの国に来ていた貴方が治めることになった」
「実はそうだった」
「その様に書くべきだったよ」
「そうなんだね」
「僕の書き方が悪かったよ」
ボームさんは反省して述べました。
「本当にね」
「そう言うんだね」
「今はね」
実際にこう言うのでした。
「本当にね、悪いことをしたよ」
「いやいや、お陰で只の手品師だった私が世界的な有名人になったんだよ」
魔法使いはボームさんに気さくな笑顔で応えました。
「そうだね」
「オズの国のことは外の世界でも沢山の人が知っているしね」
「もう私を知らない子供はね」
「かなり少ないね」
「ドロシー嬢とだよ」
さらにというのです。
「かかし君と樵君、臆病ライオン君とね」
「貴方はだね」
「オズの国屈指の有名人でね」
「外の世界でもだね」
「物凄く知られているから」
世界的にというのです。
「だからね」
「それでだね」
「本当にね」
まさにというのです。
「嬉しく思っているよ」
「そうだといいけれどね」
「そして今は」
魔法使いはチョコレートの後はホットミルクを飲みました、黒い食べものの後に白い飲みものでしかもミルクがチョコレートによく合っていました。
「こうしてオズの国にいてね」
「それでだね」
「幸せに満ちているから」
そうなっているからだというのです。
「本当にだよ」
「嫌なことはなくて」
「貴方に感謝もしているしね」
「悪く思っていないんだ」
「オズの国に戻ってからの私も書いてくれているじゃないか」
だからだというのです。
「本当にね」
「嬉しいね」
「そうだよ」
こう言うのでした。
「毎日いつもね」
「それなら有り難いよ」
「うん、じゃあいよいよね」
「一回休みが終わりだね」
「そうなるからね」
それでというのです。
「またルーレットを回してだよ」
「貴方の駒を動かすね」
「そうするよ、この駒もいいよね」
見ればその駒はです。
黒い魔法使い本人です、それぞれの駒が動かしている人の小さな姿でそれぞれ色も違っています。その駒を見て言うのでした。
「私自身でね」
「私もありますし」
ジュリアが嬉しそうに言ってきました。
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