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崩壊した世界で刑部姫とこの先生きのこるにはどうしたらいいですか?
幕間
幕間:神代 正義 1
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は良くない。
彼を善人にしてくれた親の躾が、ここで仇になってしまった。
「やめろ……やめろおおおおおおーッ!!」
しかしここで、正義が立ち上がる。
男子生徒一同は手は後ろで縛られていたが、運良く正義だけが緩かった。
少し力を入れれば縄は解け、叫びながら正義はかけ出す。
「何だこのガキ!!」
仲間に乱暴をする男にタックルをかまし、続けて付近にいるもう1人の大人に殴り掛かる。
正義は空手を経験しているが、こうして人を殴るのははじめてだった。
空手とは人を傷つけるためのものでは無い。
幼少期より父親に何度も言われていた教えを、彼は仲間の為に破ったのだ。
「ちくしょうが!調子に乗るんじゃねぇ!!」
そうすると、別の大人が銃を取り出し正義に狙いを定めた。
初めて見る本物の銃。
おもちゃではない。当たれば死ぬ。
しかしそんな死を突きつけられていても正義の中では恐怖よりも怒りが勝った。
「ッ!!」
一か八か、彼は足元にあった石を拾い上げるとそれを奴目掛け投げる。
どこかに当たって怯んでくれ。そう願って今出せる力の全てを込めて投げ付けた。
すると運のいい事に石は銃に命中。
発砲はされたものの、打つ直前に狙いを大きくずらされた弾丸は正義に当たることはなく全く別の場所へと飛んでいった。
「や、やべっ……!」
「はぁぁぁぁぁっ!!!」
拳を握りしめ、やつの顔面に叩き込む。
鼻が曲がり、血がどばどば流れ、大人達はまさか高校生一人にやられるなんて思わなかったのだろう、
「くそ!!逃げるぞ!!」
驚き、奴らは退散して行った。
「……。」
そんな逃げる大人達の背中を見て、正義はただ黙って立ち尽くす。
初めて人に裏切られた。初めて人を殴った。そして、初めて死に直面した。
興奮が治まると、銃口を突きつけられたことが怖くなった。
しかしなんとかみんなを救うことが出来た。
そうして振り返り、まずはしばられた仲間を解放せねばと思った正義だが……
「……え?」
そこに映ったのは、腹部から血を流し、倒れる女子生徒。
何故?どうして?
男達は乱暴こそしたものの、流血にまでなるようなことはしていない。
なのに何故?
答えは簡単だった。
「弾丸が……?」
女子生徒の腹部を貫いたのは弾丸だった。
しかし、大人は撃ちこそしたもののそれは正義に向けての一発のみ。
一体何故か、それは
「跳弾だよ…弾丸が跳ねて命中したんだ…!」
1人の男子生徒がそう言った。
石を当てられ狙いを大きく外れた弾丸はあさっての方向へ。
そこまではよかった。
その弾丸は壁に当たり、跳ね返って運悪くそこにいた女子生徒に命中してしまったのだ。
「……」
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