第126話『転入生』
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な感じがしたから、少し不安で」
珍しく結月から嫌悪感のようなものを感じたので、慌てて事情を訊いてみる。
「たぶん魔術師だよ。でも普通の魔術師じゃない。うまく説明できないけど、雰囲気がごちゃごちゃしてた」
「どういうこと? あのマジックが魔術ってこと?」
「それはわからない。でも、ボクはあんまり関わりたくないな」
結月がここまで言うなんて、相当嫌な気配を感じたんだろう。
それが事実ならば、彼女は魔術師であることを隠してる、もしくは無意識に魔術を使っている、そのどちらかの可能性が高い。もし前者なら、結月の言うように警戒した方が良いかもしれないが、
「き、気のせいじゃないかな? 2組の人ともすぐに仲良くなってたでしょ? そんな変な人じゃないって……」
「ハルトはボクの言うことを信じてくれないの……?」
「……っ、そうじゃない、けど──」
結月の感覚は頼りになるものだが、晴登にはどうしても天野が怪しい人だとは思えない。
だから結月を納得させるための方便を並べていると、本当に悲しそうな表情でこちらを見つめてくるので、つい否定の言葉が口から出てしまう。しかし、そこで絆されてはダメだとすぐに二の句を継いだ。
「それじゃ、天野さんが可哀想だ。結月はまだ話してもないし、最初からそう決めつけるのは良くないよ」
「……ごめん、そうだよね。ちょっと焦ってた」
「明日、直接会って確かめればいいよ。ね?」
「……そうだね」
何とか結月を納得させることに成功したようで、晴登はホッと胸を撫で下ろす。
結月のことを信じたい気持ちはもちろんあるが、だからといって盲信するのとは訳が違う。その辺の分別はきちんと付けているつもりだ。
とりあえず一段落。一時はどうなることかと思ったが、伸太郎の言った通り、やっぱり話し合うことが重要だった。考えていることがわからないとどうにもできないし。
と、晴登が1人で落ち着いていると、結月が意味ありげな視線をこちらに向けていることに気づいた。
「それはそうとハルト、実はボクはまだ拗ねたままなんだけど」
「え!? でも俺は悪くないって……」
「悪くはないよ? でも拗ねたままの彼女を放っておくの?」
「それは……」
原因が何にせよ、拗ねた彼女のケアをパートナーが行うのは当然の定め。そう言わんばかりの彼女の態度に、さすがに晴登も自分の役割を理解する。
「じゃあ、俺はどうしたらいい?」
「そうだな〜。……ねぇ、ハルト」
「な、何?」
結月は顔をずいっと近づけた。それこそ唇が触れ合いそうなほど。瞳の中の青空に吸い込まれそうな錯覚を味わい、少し身体を引くとそれに合わせて彼女も距離を
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