暁 〜小説投稿サイト〜
非日常なスクールライフ〜ようこそ魔術部へ〜
第126話『転入生』
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していたのも束の間、彼女の予想外の提案に2人して首を傾げてしまう。
その様子を見て天野も首を傾げ、


「え?って、そりゃ一マジシャンとして、お二人の実力が気になるのは至極当然のことじゃありませんか! 一体どんなマジックをお持ちなんですか? んん?」


ずずいっと近づいて興味を示す天野。魔術部の実態を知らない以上、彼女の言うことは最もだ。どうやら逃れることはできなそうである。


「やるしかないか──」






天野にマジックをせがまれ、魔術を使ってそれっぽいものを見せたら目を輝かせて驚いていたのは1時間前の出来事。付け焼き刃にしてはそれっぽくできたのではないかと、自分でも納得の出来だ。
ただ結局、魔術についての説明ができないまま、彼女の入部が決定してしまった。
騙しているようで気が引けるが、晴登の時もその実態を知らないまま入部した訳だし、きっと何とかなると思う。


さて、それで何とかならないのは、今晴登が目の前に対峙している問題の方であって──


「えっと……まずは謝った方がいいのかな?」


そう問いかける晴登の目の前で、結月がこちらを見て座布団に座っている。
そう、家に帰った晴登は結月が不機嫌な理由を探るべく、こうして部屋で相対したのであった。

まず、晴登は自分が悪いかもしれないと思い、謝罪から入ってみる。だが、


「……別に、ハルトは悪くないよ。ボクが勝手に拗ねてただけだから」


結月はそう言って俯く。
なんだ拗ねてたのか、という感想は置いといて、晴登のせいじゃないというのは本当にそうなのだろうか。タイミング的に晴登のアクションが引き金だった気がしなくもないし。でも詳しい理由はわからない。


「ハルトはアマノって人どう思ってるの?」

「天野さん? 元気いっぱいで、莉奈みたいに周りを盛り上げてくれる人だよ。それにマジックが得意でね、これが凄いんだよ」

「ふぅん。ボクの知らないところで随分と仲良くなったみたいだね」


晴登の説明を聞いて、結月の表情がまた一段と暗くなった気がした。
そうか、天野の存在も関係していたのか。結月はまだ彼女のことを全然知らないだろうから、関係ないと勝手に思っていた。彼女のことをそんなに話題に出さない方が良かったか。


「でも俺は結月にも天野さんと仲良くなって欲しいな。せっかく魔術部に入ってくれたんだし」

「え、そうなの……?」

「う、うん……」


これから仲良くなるチャンスはいっぱいあるんだと、両手を広げて説明すると、結月は驚いた表情を見せる。ただ、思っていた反応と違ってマイナスなリアクションだ。


「嫌、だった……?」

「ううん、そうじゃない。ただあの子、なんか変
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