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ファイアーエムブレム聖戦の系譜〜選ばれし聖戦の子供たち〜
第一章:光をつぐもの
第3話:天馬と魔導師と盗賊と
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「すみません。覗き見をするつもりじゃなかったんです」
 フェミナが申し訳無さそうに言う。それに対し男は肩をすくめた。
「おいおい、別に殺そうとか金を巻き上げようとかいうつもりじゃないんだ。見たところあんたたちはペガサスナイトに魔導師、あとそこの白い服の兄ちゃんはプリーストってとこか。こんな田舎に何をしに来たのかって聞きたいんだ」
「え〜と・・・・・・」
「ええ〜っと?」
 アスベルが下を俯きながら言いかけようとする。男がそれにつられる。
「僕たちはセリス様の解放軍に入るためにここへ来たんです」
「解放軍?ティルナノグの?」
「はい」
「へえ・・・・・・」
 男が何か意地悪そうな笑みを浮かべた。
「奇遇だねえ、オレたちと同じだ」
「え!?」
 八人が目を丸くした。
「まずは名乗ろうか。オレはリフィス。元はイザーク軍にいたが嫌気が差して辞めてたまたま出会ったシヴァと一緒にイザーク軍相手に盗賊をやっていた」
 右の男を親指で差しながらリフィスは話を続ける。
「オレは何年かやってるうちに子分が増えてオレはそいつらの頭になった。今村に襲った連中がその一部だこいつらはオレたちが留守にしている間に村を襲ってたから斬ってやったぜ。見たところあんたらにもやられたらしいな」
 血潮の付いた槍や剣を一瞥して話を進めた。
「このオレとシヴァは船でレンスターに渡ってフリージ相手にレジスタンスをやっているエーヴェルって人に会いに行った。この人のこと知っているかな」
「ええ。『フィアナの女神』って」
 ミーシャが答えた。
「なら話が早い。オレもシヴァもあの人にはフリージ軍相手に仕事する時結構世話になっててな。仕事のついでに例を言いに行ったんだ。そこにその人がいた」
 後ろにいる女性を指差した。
「サフィっていうターラのプリーストさんだ。何でもその街を治めてるリノアンって人がフリージの支配から抜け出したいらしくてその人の頼みで街を救ってくれる勢力を探しているらしい。それでエーヴェルさんが言うにはティルナノグのセリス公子が良いらしくてそこへ行くことになった」
 井戸の水を飲みリフィスは言い続ける。
「けど女の子一人じゃ危ないだろ?それにオレはこの人の健気さに打たれた。助けてやろうも思ってな。一緒に解放軍に行こうと決心したのさ。なあ?シヴァ」
「ああ」
 シヴァは無表情で頷く。
「そしてオレは波が荒くなる前にレンスターを発ってイザークへ行こうとしたらエーヴェルさんに止められたんだ。娘も連れて行ってくれってな。それがこの娘マリータだ」
 左の少女を指差した。
「何でも幼い頃親父さんに連れられて旅をしていたらしいが、目を離した隙に奴隷商人にさらわれ、コノートの街で鎖に繋がれて売り物にされているところをエーヴェルさんが助けて養子にしたらし
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