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ファイアーエムブレム聖戦の系譜〜選ばれし聖戦の子供たち〜
第一章:光をつぐもの
第3話:天馬と魔導師と盗賊と
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ると思ったけどな」
 アミッド顎に手を当て訝しげに言う。
「村の人たちが頑張っているのかもしれないけど山賊の連中がまだ村の中にいるのは間違いないと思うけどね」
 フィーが村を見据えつつ言った。アーサーもそれに続く。
「どっちにしろここは」
「行くわよ!」
 ミーシャが決めた。四騎はそのまま村の上に進んだ。上から見て村はまったく荒らされていなかった。見ると井戸の辺りで人が集まっているり剣撃と罵声が響いている。
「行きましょう」
 四騎がそこへ行くとそこで何やら二つに別れて争っていた。一方彼女たちが先ほど戦っていた山賊たちの仲間のようである。それぞれ粗末な斧に古い革鎧を身に着けている。既に十人ほど倒されている。それでもまだ十人位が残っている。
 もう一方は僅かな四人であった。三人が前に出て、三人のうち二人は鉄の剣と鋼の剣を構え持ち、もう一人は彼女の名が刻まれた剣を構え持っている。そして後ろにいる一人を援護するように陣を組んでいる。
 中央の一人は細身の男で山吹色の上着に紫色のズボンと茶色のブーツを身に着けている。茶色の髪は少し漏れたような感じである。茶の瞳はやや切れ長でつり上がっており、どこかずる賢そうな印象を与える。
 右側にいるのは鋼の剣を持つ男で白いズボンと胸の開けた濃紫のシャツの上に丈の長い黒い服を着ている。
 左側にいるのは白いズボンに丈の長い緑色の上着を革のベルトで止め、茶の革鎧を着けた小柄な少女である。短めの黒髪と瞳は幼さが残りながらも整ったその顔を気が強そうにしている。
後ろにいるのは波がかかった緑の髪と澄むんだ緑の瞳をした美しい女性である。丈の長い黄緑の法衣に同じ位丈の前が大きく開いた薄緑の服の上にフードの付いた白のマントを羽織っている。手にした杖から彼女がプリーストであることがわかる。
「どうやら本気でオレに逆らうつもりらしいな」
 中央の男が剣を構えながら怒気少し含めて言う。
「じゃあ仕方ねえ、死んでもらうぜ」
 男は山賊たちへ突っ込むと、左右の二人もそれに続いた。三人はそれぞれ形は違うが見事な剣技である。中央の男は素早い動きで鉄の剣を器用に振り相手の死角に潜り込み急所を突く。ややトリッキーな剣術である。
 左の少女はまだ未熟さが残りながらも一本気な剣技であり一人また一人と確実に倒していく。特にすごいのが右の男は水が流れるように無駄のない動きで敵を交わし流星の如き速さで剣を一閃させる。十人ほどいた山賊たちはたちまち一人も残らず斬り伏せられた。
「へっ、黙ってオレに従っていりゃ死なずにすんだのにな。ん?」
 中央の男がフィーたちに気づいた。
「お〜い!そこの姉ちゃんたち降りてきな」
 四騎は広場に降り天馬から降りた。
「さてと、お前さんたちは一体何者だい?」
 やや軽い口調で中央の男が問うた。

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