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ファイアーエムブレム聖戦の系譜〜選ばれし聖戦の子供たち〜
第一章:光をつぐもの
第3話:天馬と魔導師と盗賊と
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ハルヴァは続けた。
「ただし、ソファラの入口辺りで動かない。これで親父の命令は一応果たしているしラドネイとも喧嘩にならない。どうだ、名案だろう」
「はい」
「じゃあ行くぜ!」
「おう!」
勇ましい声を挙げ三人とヨハルヴァは部屋を出た。そして出撃しソファラとガネーシャ、イザークの境で進軍を誰一人も受け止めはしなかった。
ヨハン、ヨハルヴァ両王子の軍が解放軍を進撃に出るふりをして軍を止めていた頃ソファラに四騎の天馬が舞い降りた。その中の一頭から一人の少女が飛び降りた。
「ふうっ、ごめんねマーニャ。重かったでしょ」
緑のショートヘアをしたエメラルドの瞳を持つ小柄で可愛らしい少女である。スリットが入った丈の短い緑のワンピースに白い肩当てと胸当ての鎧を身に着け、イヤリングと白い鉢巻とが特徴である。
「ふうん、そのペガサスはマーニャっていうのか」
ペガサスの背に乗る長い薄紫色の髪と瞳をした中性的な若者が言った。白い上着とズボンの上に水色のベストを着て、丈の短い黒マントを羽織っている。
「やっと着いたわね、アーサー」
「ああ、今までありがとうフィー」
「いいわよ、お互い様。ところであんたこれからどこ行くの?」
「アルスター」
「アルスター!?あんた、バカじゃない」
フィーが思わず声をあげる。
「ああ、ちょっと妹を探しにね」
「実は妹が危ないんだ」
「どうして?」
「俺が神父をやっていたって話はしていただろ?」
「ええ」
「あれは父さんが病で死んだ半年ほど経った頃かな。家にある人物が訪ねて来たんだ。父さんのお墓参りにね。その時俺の父さんが本当はヴェルトマーのアゼル公子で母さんはフリージのティルテュ公女だと話してくれた。その証がこのペンダントだと言ってね」
そう言って首にぶら下げているペンダントを見せる。
「そしてティニーという妹がいることも教えてくれた」
「ふうん。あんたお坊ちゃんだったんだ」
「まあそういうことになるかな。今はしがない村の神父だけど」
「ところでそのお客さんって誰?」
「いや、俺にはわからない。紅い髪をしたすごく気品のある男だった。その人は俺に言った。お前の妹は今アルスターにいるがヒルダ王妃に命を狙われている。一刻も早く彼女を助け出すんだ、ってね。俺が家から出た時にはもうその人はいなかったってわけだ」
「なんか物語みたいな話ね。けどあたしにも似たような偏遇だしね」
「フィーも誰か探しているのか?」
「一応お兄ちゃんをね。でも今は解放軍に入れてもらう方が先」
「お兄ちゃんって誰だ?」
「セティっていうの。知ってる?」
「十二神器の一つフォルセティを受け継ぐあの大賢者かい?」
「あれ?やっぱり知ってたのね」
「有名だよ・・・ってことはお前はシレジア王と四天馬騎士の間の娘か」
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