第二百六十九話 混沌と悪意の神その十一
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「香川や福岡のもいいけれどな」
「第一はだな」
「大阪でな」
この地域のうどんでというのだ。
「それでだよ」
「関西のうどんは大阪のものが主流だからな」
「それが一番だよ」
「そうだな」
「きし麺もいいけれどな」
名古屋のこちらの麺の話もした。
「あっちもな」
「きし麺か。あれもいいな」
「お前も好きか」
「かなりな」
英雄は丼を食べつつ答えた。
「あちらもな」
「名古屋もいいってことだな」
「あちらには縁がないが」
それでもというのだ。
「料理はな」
「好きか」
「ういろうも好きだ」
この菓子もというのだ。
「羊羹も好きでな」
「ういろうもか」
「好きでな」
それでというのだ。
「八丁味噌にも抵抗がない」
「名古屋でも生きていけそうだな、お前」
「そうかもな、もっと言えば豚骨でかつおだしも効いたスープのラーメンも好きだ」
すがきやである、この店は拠点は名古屋にあるのだ。
「こちらもな、中日も嫌いじゃない」
「ドラゴンズもか」
「巨人は癌だと確信しているが」
「俺もだよ」
「しかしだ」
「中日は違うな」
「あのチームはいいチームだ」
英雄はファンではないがこう言った、尚彼等だけでなく仲間全員を含めて巨人ファンは一人もいない。
「これからも頑張って欲しい」
「そうだよな」
久志も同意だった。
「これからも」
「全くだ、そして名古屋もな」
「好きか」
「料理もな、今度きし麺を食うか」
「そうしていくか」
「明日にでもな」
こうも言うのだった、そして英雄は実際に起きた世界で次の日の昼はきし麺を食った。そちらも実に美味かった。
第二百六十九話 完
2022・8・8
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