第四十三話 全く以て同感その二
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「お亡くなりになんかなったら」
「もうそれで」
「未完に終わることがね」
「現実になるのね」
「その明暗だってそうだし」
「急死もあるのね」
「人間ね、あと連載がずっと続いて」
妹は姉にさらに話した。
「それで作者さんがお歳で」
「亡くなることもなのね」
「ゴルゴもそうでしょ」
「連載五十年以上でね」
「作者さんも遂にでしょ」
「連載は続いているけれど」
それでもとだ、理虹も答えた。
「お亡くなりになったことは事実ね」
「人は絶対に死ぬじゃない」
「ええ、誰でもね」
「そうだったらね」
それならというのだ。
「あの作品もよ」
「作者さんがお亡くなりになって」
「未完になる可能性もよ」
「あるのね」
「あれだけ描かないと」
そうであるならというのだ。
「もうね」
「作者さんが生きている間に終わるか」
「その域よ、そもそも人間何時死ぬかなんて」
絶対に死ぬがというのだ。
「それわからないでしょ」
「誰にもね」
「今日元気だった人が次の日の朝死んでたとか」
そうしたことがというのだ。
「あるでしょ」
「それあるわね」
理虹は妹の言葉に顔を曇らせて頷いた、人間の一生程わからないものはなく実際にそうして死んだ人もいる。
「事故とかもあるし」
「心臓麻痺とかでもね」
「急にお亡くなりになるって」
「あるでしょ」
「どんな人でもね」
「漫画家さんでもね」
今話している彼等でもというのだ。
「本当によ」
「急死するってことも」
「あるのよ、漱石さんもだし」
小説家である彼もそうでというのだ。
「それでね」
「漫画家さんもそういえば」
「急死した人いるでしょ」
「ユーチューブの動画で未完になった漫画の紹介してるのあったけれど」
理虹が以前観たものである。
「そこでね」
「作者さんが急死で、でしょ」
妹は姉に話した。
「未完になってる作品あるでしょ」
「調べたら結構あるみたい」
「でしょ?人間本当によ」
「何時死ぬかわからないのね」
「死ぬ間際に終らせくれたらいいけれど」
最後の力を振り絞ってだ、それで自分の作品を完結させた人もいる。それが出来て満足だっただろうか。
「やっぱり完結させて欲しいわよ」
「読者としてはね」
「その作品もね」
「あんたとしても」
「終わらせて欲しいわ」
かなり切実な言葉であった。
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