第七十六話 狭いが多彩な街その十一
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「だからよ」
「やっていけばいいのね」
「そうよ、やっていってね」
「少しずつでも」
「そうしていったらいいわ」
笑顔で咲に告げてだった。
愛はこの日は彼女に付き合った、そうしてその駅前ともう一つの駅前を見て回ったがその後でだった。
愛は咲に山手線に乗ったその電車の中で話した。
「駅自体も違うでしょ」
「それぞれね」
咲は隣にいる従姉の言葉に頷いた。
「何かと」
「同じ山手線、地下鉄でもね」
「それぞれ違うわね」
「東京はね。東京駅なんてね」
何と言っても東京の路線の中心であるこの駅はというのだ。
「もう一つの街みたいでしょ」
「巨大と言っていい位で」
「それで他の駅もでしょ」
「それぞれ違っていてね」
「個性があるでしょ」
「そうよね」
「その駅の個性もよ」
駅前そこにある街だけでなくというのだ。
「見ることよ」
「それも大事ね」
「そうよ、それと東京は電車が多いから」
「時刻表なんか分刻みね」
「もう日本一ね」
そう言っていいまでにだ、それだけ東京の人口が多くかつ一日に移動する人間が多いということだ。
「本当に」
「だからなのね」
「ちょっと遅れても」
電車を乗り過ごしてもというのだ。
「大して困らないわね」
「電車でもそうよね」
「そのよさもあるから」
東京にはというのだ。
「電車で巡ると困らないわ」
「電車の数多いのはいいことね」
「それだけでね」
まさにと言うのだった、愛も。
「東京のいいところの一つよ」
「世界一電車が動いてる街かしら」
「そうかも知れないわね」
愛はこのことも否定しなかった。
「実際とんでもなく多いから」
「山手線に地下鉄に」
「私鉄もあるからね」
「東京の中だけでもかなりで」
「出入りも凄いから」
東京はというのだ。
「だからね」
「世界一かも知れないわね」
「日本は鉄道大国と言われてるけれど」
明治維新に東京から横浜の間に通ってからだ、この時のはじめて鉄道に乗った日本人の中には西郷隆盛もいた。
「事実だしね」
「本家イギリスより凄いのよね」
「マニアの人達もいるしね」
「鉄ちゃんね」
「中にはマナーの悪い人達もいるけれど」
特に撮り鉄に多いという、時折問題も起こっている。
「だからね」
「多いことは事実よね」
「そうよね」
「ええ、私電車は乗るだけで」
咲は自分の趣味の話もした。
「マニアかっていうと」
「違うわね」
「ええ」
そうだというのだ。
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