第五百三十一話 奇巌山へその十四
[1/2]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
「本当に激しい戦いになるな」
「覚悟はもうしてるだろ」
「俺だってな」
横に来たユルセンに答えた。
「そうだろ」
「その意気だぜ、ここまできたんだ」
それならとだ、ユルセンも応えて述べた。
「だったらな」
「そうだ、気合入れていけよ」
「そうするな」
「皆いい顔になってるな」
ユルセンはこうも言った。
「その顔なら勝てるぜ」
「勝負は顔で決まるだな」
「ああ、聖闘士でもそんなこと言う奴いるだろ」
ユルセンはアルデバランに確認を取った。
「そうだろ」
「俺は知らないがかつてはな」
「そんなこと言う奴もいたな」
「ハーデスとの前の聖戦の時にな」
彼等から見ておよそ二百数十年前にというのだ。
「いた」
「そうだよな」
「ざんすと語尾に付ける口調だったらしい」
「そりゃまたわかりやすいネタ担当だな」
「青銅だったが」
聖闘士の格はというのだ。
「立派に戦ったとのことだ」
「ネタ担当でもだな」
「その様だな」
「そりゃいいことだ、おっさんもそこまでしねえとな」
「そのおっさんだが」
ミロが真剣な顔で言ってきた。
「今どうしている」
「ちゃんといるぜ、ただやっぱりな」
「戦いになればだな」
「最初から最後まで食うか寝るだからな」
「相変わらずか」
「おっさんはそうした奴だろ」
自分の飼い主である仙人のことをこう言うのだった。
「そうだろ」
「確かにな。我々は殆どの者が勤勉と言っていいが」
「おっさんだけはな」
「全くだな」
「聞こえておるぞ、わしは最後まで言われっぱなしか」
仙人はユルセン達の言葉に怒ってきた。
「全く。わしを何だと思っておる」
「だって何もしてないじゃない」
リンーディヴズの突っ込みも容赦がない。
「おじさんって」
「これでも天空寺の住職だぞ」
「食べて寝てるだけでしょ」
「それでもそうだ」
「あっ、何もしないで下さいね」
今度の容赦のない言葉は葉月クルミからだった。
「大惨事の元なので」
「ええい、わしはトラブルメーカーか」
「他の何だってんだよ」
またユルセンが言ってきた。
「核戦争後の世界の爺さんみてえだぞ」
「あっ、そやな」
きなこはユルセンの言葉に頷いた。
「おっさん何に似てるかって言ったらや」
「あっちの世界の爺さん達だよな」
「何かしたらそれがいらん揉めごとの種になるな」
「トラブルメーカーだろ」
「それおっさんもやしな」
「だからだよ」
まさにその為でというのだ。
「おっさんにはな」
「食っちゃ寝でいてもらうんだな」
「そうしたらああなったら駄目って反面教師にもなるからな」
その効果もあるというのだ。
「だからな」
「おっさんは何もせんでええ」
「という
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ