第五百三十一話 奇巌山へその七
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「怪人達に感情や思考を宿らせることはな」
「何でもなく」
「そうなんだよ」
「あの時のあいつはあえてそうしていたね」
ギーシュも今は表情が暗い。
「あの世界にあいつなりに思うことがあって」
「それであのグロンギにあえてそうしたものを戻してな」
「好きにやらせていたね」
「そうだったんだよ」
「あいつはグロンギでも最悪の奴だよ」
おやっさんもこう言う。
「あいつにそうしたものを戻せば」
「ああなりますね」
「当然として」
まさにとだ、おやっさんは美琴に答えた。
「それをわかってだよ」
「あの時はああしたので」
「やっぱり怪人は感情や思考があると」
「本当に強くなりますね」
「考えて動く様になるからな」
本能で暴れるだけでなくというのだ、おやっさんもこれまでの戦いのことを思い出しつつそうして話した。
「その分強くなるんだよ」
「そうですね」
「だからな」
おやっさんはさらに話した。
「最後の戦いになるなら」
「絶対にそうしたものを戻してきますね」
「ああ、絶対にな」
「そうなると本当に大変な戦いになりますね」
美琴も考える顔になって述べた。
「奇巌山では」
「そうなる、それで大幹部クラスはな」
おやっさんも彼等について話した。
「他の怪人達と元が違うからな」
「元々がですよね」
七海が言った。
「逸材ばかりだったのね」
「そうなんだよ、これが」
「それは改造人間の場合だけれどな」
北岡も真顔で話す。
「やっぱり薔薇のタトゥの女とかラッキークローバーは違うんだよ」
「同じ種族でも」
「ああ、桁外れに強いからな」
そうだというのだ。
「そうした連中が考えて来るならな」
「とんでもない強さですね」
「間違いなくな」
北岡は七海にはっきりとした声で答えた。
「そのことはわかってくれよ」
「はい」
七海も強い声で答えた。
「わかりました」
「ロイミュードだとね」
イタリアはハート達を見て話した。
「俺達と一緒にいる人達もいるけれど」
「彼等も強いとお話しておきます」
ブレンがイタリアに畏まって答えた。
「彼等も」
「やっぱりそうだね」
「はい、ですから」
それでというのだ。
「お覚悟を」
「わかったよ」
イタリアも答えた。
「そうして戦うよ」
「その様にお願いします」
「敵は強い、それもこれまで以上に」
エレクは険しい顔で呟く様に述べた。
「なら我々は彼等のことをさらに知らないとな」
「アンデットならどうなる?」
ゼングレンは首を傾げさせて言った。
「一体」
「あの連中か」
「そうだ、上級アンデットはあんた達が全て手中に収めていてだ」
ゼングレンは橘に言った。
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