第五百三十一話 奇巌山へその二
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「あんたの場合はね」
「出し惜しみしないと駄目か」
「山一つ吹き飛ばしかねいから」
「その通りだ、奇巌山にスサノオがいるならだ」
又吉は強い声で答えた。
「その山ごとスサノオを吹き飛ばせばいい」
「そこにいる生きものはどうなるのよ」
「尊い犠牲だ」
「スサノオに勝つ為の?」
「その通りだ、核ミサイルでも何でも用意するぞ」
「止めろよ」
エクボも真顔で止めに入った。
「核ミサイルって何だよ」
「これを使えば一撃だ」
「ショッカーが散々使おうとしただろ」
「そう聞いているな」
「そんなの使ったら俺達もショッカーと同じだろうがよ」
「その通りだ、敵と同じことをしてどうする」
パイマンは怒って言った。
「前から思っていたがお主かなり危ういぞ」
「正直ペンギン帝王さんの方が遥かに良識があるんじゃないか?」
清音も言う。
「あの人の方が」
「どう見てもそうである」
パイマンは清音の言葉に同意して頷いた。
「吾輩も思うである」
「やっぱり」
「だからペンギン帝王氏の言葉を聞きたいが」
「最後の戦いになるなら最後まで誇りを持って戦おう」
ペンギン帝王はパイマンの言葉に応えて述べた。
「そうしよう」
「それがいいであるな」
「そうだ、核兵器なぞもっての他だ」
こうも言うのだった。
「これまでの我々の戦い方を出来る限り昇華させてだ」
「戦うべきであるな」
「そうしていくべきだと思うが」
「正論ですね」
幸平もその通りと頷いた。
「俺は料理専門ですが」
「その料理も戦いだからな」
「これを昇華させるといいですか」
「今の時点で我々が出来る限りな」
「そうして戦うことですか」
「私はそう思う」
ペンギン帝王は落ち着いた言葉で語った。
「まさにな」
「それしかあるまい」
ゼートゥーアはその糸の様な目をそのままにして述べた。
「これは戦いだが国家と国家の戦争ではない」
「国家と国家の戦争は勝つことが至上命題だ」
ルーデンドルフも言う。
「だから山を吹き飛ばせる兵器があればだ」
「使うがな」
「軍人としては躊躇なくな」
ルーデンドルフはゼートゥーアに応えて言った。
「あくまで敵がそれに相当する対抗手段を持たなければだが」
「それで勝利を収められるなら使う」
「それが戦争だ、だがこれは人と神の戦いだ」
自分達の今の戦いをこの様に定義した。
「それならばだ」
「そうしたものは使う必要はない」
「我々の全力で向かうことだ、例えこれまで出て来なかった大幹部クラスが出てもな」
それでもというのだ。
「戦うことだ」
「その通りだな」
「ではだ」
「その様に戦うことにして山に入ろう」
「この戦力でな」
「しかし大幹部クラスといいますと」
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