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展覧会の絵
第十三話 ベアトリーチェ=チェンチその三
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「いいことだね」
「そう思うよね、佐藤君も」
「そうした意味では田中君と同じだよ。それでだけれど」
「それでって?」
「僕の今度の絵だけれどね」
 その話題にだ。変えたのである。これ以上このことを話すとまた己の考えを言い出しかねないと思ってだ。そのうえでのことである。
 その絵について言いながらだ。彼は立ち上がりだ。
 そのうえで部室の中にある一枚の絵、白い覆いがかけられているその絵の前に立ち。
 その覆いを取ってだ。それを見せたのだった。
 絵はブロンドの巻き毛の可憐な少女だった。歳の頃は十六程であろうか。丸く奇麗な目をしていた顔立ちはそれこそ誰が見ても魅了される程だ。
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