第六百七十七話 虫になるその九
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「餓鬼です」
「碌なものじゃねえな」
「私がわかる限りで人間には生まれ変わりません」
「というか普通の生きものすらでないわね」
ラビニアは細菌や害虫のことから述べた。
「それこそ」
「そうですね」
「害虫に生まれたら」
人間にそうみなされる存在にだ。
「本当にナチュラルにね」
「駆除されますね」
「そうなるから」
だからだというのだ。
「いいものじゃないわ」
「私も同感です、彼はゴキブリやダニや虱に生まれ変わり」
そうした害虫達にというのだ。
「ボウフラにも生まれますが」
「蚊の幼虫ね」
「ヤゴに食べられて」
そうなってというのだ。
「産まれてすぐにです」
「死ぬのね」
「その時は」
ボウフラに生まれた時はというのだ。
「そうなります」
「成程ね」
「何億回も苦しみます」
「それ報いよね」
「はい」
その通りだというのだ。
「まさに」
「今回の人生で罪を犯した」
「それに対してのです」
報いだというのだ。
「まさに」
「ううん、あんな悪いことをしたら」
「地獄に落ちてです」
まずはそうなりというのだ。
「そしてです」
「それからもなのね」
「何億回も細菌や害虫になり」
「人に忌み嫌われて」
「そしてです」
そのうえでというのだ。
「消毒や駆除を受けてです」
「死んでいくのね」
「その中では食べられることもあります」
「害虫の時に」
「そうです、害虫にも天敵が存在しますね」
「ボウフラの話が出たけれど」
ラビニアはそこから話した。
「ヤゴに食べられるのよね」
「ボウフラも天敵が多いです」
「そのヤゴにしてもそうだし」
「お魚もです」
彼等もというのだ。
「同じです」
「だから貯水池には金魚を飼うのね」
「日本では」
この時代でもそうしている、そうした場所にも蚊が卵を産んでボウフラが出るので金魚に食べさせることでボウフラのうちに駆除しているのだ。
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