第五百三十話 サラミスの海戦その十三
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「本当に困りますので」
「出来る様になる様にか」
「勝家さんも努力していって下さい」
「やっぱりそれしかないか」
「そうです」
「あんた将来うちの会社の重役よ」
信奈は父の会社を継ぐことから言った。
「IT企業なんだし」
「尚更ですか」
「頭をちゃんと使える様になってね」
「わかりました」
「本当に頼むわよ」
「僕からも頼むよ」
信澄もまた言う。
「六には頑張ってもらいたいからね」
「今のままでは零点ですので」
長秀も今は厳しい。
「宜しくお願いしますね」
「そうするな」
勝家も約束した、そしてこれまでより少しは頭を使う様になってましにはなっていくのだった。そのうえで徐々に変わっていった。
戦いは続き後方では。
先程話題に出た紫苑が面白くなさそうに言ってきた。
「不覚を取りました」
「負傷されてですね」
「今ここにいます」
エレンに対して答えた。
「この様に」
「では手当てを受けて」
「また戦いに戻りたいのですが」
それでもと言うのだった。
「少し休む様に言われました」
「そうですか」
「朱菜様から」
「無理をしてはいけません」
その朱菜の言葉だ。
「くれぐれも」
「だからですか」
「治療を受けたなら」
そうであるならというのだ。
「少しでもです」
「休憩を摂って」
「そして体力と気力を充分に回復させて」
そうしてというのだ。
「万全の状態にしてです」
「また戦うべきですね」
「紫苑はすぐに戦いたがるのが駄目です」
ぴしゃりとした口調での言葉だった。
「ですがそれをです」
「抑えないと駄目ですか」
「そうです」
「私もよく言われます」
紫苑と同じく手当てを受けた芳佳も言ってきた。
「紫苑さんとはよく違いますが」
「お前は独断が過ぎる」
ゲルトルートが腕を組みむっとした顔で注意した。
「何でもだな」
「つい身体が勝手に動いて」
「それでだな」
「出てしまいます」
「それがだ」
どうにもとだ、ゲルトルートは注意する様にさらに言った。
「よくない、軍隊だからな」
「尚更ですね」
「勝手な行動は慎め」
「うちの隊長も他の世界の人だからあえて言わないけれどね」
マテウスが言ってきた。
「よく思ってないよ」
「デグレチャフ大佐もですか」
「あの人そうしたことに凄く厳しいからね」
そうした性格だからだというのだ。
「それでだよ」
「そうですか」
「だからね」
それでというのだ。
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