第五百三十話 サラミスの海戦その十一
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「もうね」
「長秀にですか」
「頼んでるわ、大怪我はしても死なないでね」
こう勝家に言うのだった。
「いいわね」
「そうします」
「あの、私何かです」
氏郷はまさに重傷といった姿だった。
「さっきから集中攻撃受けてるんですが」
「あんた大丈夫?」
「今のところは。あと少ししたら手当て受けたいです」
「じゃあそうしてきてね」
「わかりました」
「さて、そろそろ一斉射撃を仕掛ける」
長門が言ってきた。
「皆下がってくれ」
「艦載機も出します」
翔鶴が戦局を見て述べた。
「そうします」
「大砲と艦載機の同時攻撃か」
「はい」
翔鶴はディケイドに答えた。
「その通りです」
「わかった、宜しく頼む」
「それでは」
「こうした時に巻き添えになるのがあんたなのよね」
信奈は長門達の言葉を受けて氏郷に言った。
「だからその前にね」
「一時下がってですか」
「手当てを受けてね」
「わかりました」
「重桜全艦艇の攻撃に移る」
高雄は毅然とした声で述べた。
「皆その前に私達の傍まで下がってくれ」
「そうさせてもらうね」
ディエンドが応えた。
「今回も」
「宜しく頼む」
「クフフフフフフフ、何時見ても爽快であるから楽しみだ」
梵天丸は重桜の面々の話を聞いて楽し気に笑った。
「では我もそれが終わってからまた動くぞ」
「総攻撃が終わってからお願いします」
飛龍が梵天丸に応えた。
「その様に」
「わかっておる、ではな」
「今から仕掛けます」
「その様にな」
「皆の者仕掛けるぞ」
長門が指示を出した。
「我等の力ここでも見せてやれ」
「了解」
綾波が応えてだった。
重桜の者達は総攻撃を仕掛けた、無数の大砲が轟音をあげ艦載機が機銃や爆弾を放った。そうしてだった。
多くの敵を薙ぎ倒した、それを見てだった。
信奈は確かな声で仲間達に言った。
「この攻撃が終わったらね」
「突撃でなくな」
「ええ、残った敵によ」
ディケイドに応えて述べた。
「攻撃を仕掛けるな」
「そうだな」
「いいわね、六」
勝家に注意するのだった。
「そうしたくてもね」
「突撃は駄目ですか」
「あんた本当にそれしかないから」
突撃しかというのだ。
「敢えて言うわよ」
「姫様が言われるなら」
「力仕事は凄いけれど」
「それ以外ないのが困りものね」
久秀は余裕のある声で述べた。
「そこが可愛いけれど」
「全く。ちょっと考えて欲しいでやがります」
光秀も言う。
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