第五百三十話 サラミスの海戦その九
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「探してたの」
「そう、じゃあすぐに持って行って」
「そうするわ」
「あれっ、消毒薬ならあるよ」
直行がそう聞いて二人に言ってきた。
「かなりね」
「それはそうですが」
雪梅は直行に答えた。
「こっちにはです」
「なかったんだ」
「だからかなりの量を持って行きます」
その様にするというのだ。
「これから」
「そういうことだね」
「幾らありましても」
「何でもすぐに使うからね」
「あっという間になくなります」
「そうですよね」
クシナダも言ってきた。
「もうどんなものもです」
「本当にすぐに使ってしまうよ」
マギーも言う。
「あればね」
「その場のものは」
「だからある場所に行って」
そうしてというのだ。
「借りてるね」
「そうですね」
「このことも仕方ないよ」
マギーはアスタの手当てを粗っぽくしつつ言った。
「怪我をする奴が多いからね」
「激しい戦いですから」
「特にこ坊やなんかね」
そのアスタを見て笑って話した。
「かなりだよ」
「俺怪我多いですか」
「かなりね」
アスタ本人に笑ったまま答えた。
「多いよ」
「そうですか」
「はっきり言ってね」
「毎日大怪我をしているぞ」
キンバリーも言ってきた。
「私もこの前手術をしたな」
「あの時は有り難うございました」
「あんたは無鉄砲過ぎるんだよ」
またマギーがアスタに話した。
「本当にね」
「そうですか」
「それがいいところでもあるけれど」
それでもというのだ。
「やっぱりね」
「怪我が多いことはですか」
「それで治療薬や消毒薬を使うこともね」
このこともというのだ。
「多いよ」
「そうなんですね」
「アオさん今行きます」
消毒薬を貰った雪梅は手当てを受けようとしている彼女に声をかけた、見れば結構な大怪我をしている。
「待っていて下さい」
「御免ね」
「いいです、これが私達の仕事ですから」
雪梅はこう返した。
「お気になさらずに」
「そう言ってくれるのね」
「だからいますぐ行きます」
「手当てを受けたら休んでもらって」
今度は飾利が言ってきた。
「そしてです」
「そのうえでなのね」
「食べることも忘れないで」
アオに言うのだった。
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