第二章
[8]前話
ラトンは爪を使って灰の中からまだ熱い栗を爪を使って引き出してです。
ベルトランは息でふーーふーーして冷やします、そうして全部の栗を出して冷やすことが出来ましたが。
ここで、です。お屋敷の女中さんの一人が来ました、女中さんはさあ栗を食べようとしている二匹を見てすぐに怒鳴りました。
「こらっ、あんた達何をしてるの」
「あっ、まずい」
「逃げましょう」
二匹は女中さんを見て思わず跳び上がりました。
そして、です。逃げようとしますが。
ここでベルトランはラトンに言いました。
「少しでも多くだよ」
「栗を持っていくのね」
「そうしてだよ」
そのうえで、というのです。
「後で食べよう」
「ええ、まずはね」
「逃げよう」
「待ちなさい!」
女中さんが怒鳴るのもよそにです。
二匹は逃げました、そうしてです。
女中さんが来られないお屋敷の屋根の上まで逃れてそこで何とか持って来た栗を出します。ベルトランはラトンに栗の皮の剥き方を教えてです。
そのうえで食べる様に言います、ラトンは自分で剥いた栗を食べましたが。
一個食べてです、目を丸くさせて言いました。
「あら、これは」
「美味しいね」
「ええ、甘くてね」
「これが栗だよ」
「私お魚とか鳥しか食べないけれど」
猫だからとです、ラトンはベルトランに答えました。
「栗もね」
「美味しいね」
「ええ」
その通りだと答えました。
「これはね」
「これが栗だよ、食べるにはまずは」
「暖炉の中で焼かないと駄目なのね」
「熱を入れないと美味しくないし」
ベルトランも栗を食べています、お口の中で?んで味を楽しみながらお話します。
「そこから取るのも熱いけれど」
「けれど美味しいのね」
「こうしてね」
「成程ね」
「だからまたね」
「ええ、お家の人が栗を焼いていたら」
「頂戴しようね」
ラトンに笑ってお話しました。
「それで一緒に食べようね」
「わかったわ、こんなに美味しいならね」
ラトンも嗤って応えます。
「一緒にね」
「食べようね」
「そうしましょう」
笑顔でお話してでした。
二匹はまた一緒に栗を食べようと約束しました、ですが。
二匹はこの後女中さんに見付かってこってり絞られました、それから栗の監視は厳しくなって盗むことは出来なくなりました。ですが。
二匹が栗が好きとわかったお家の人達は栗を食べる時はその栗を二匹にもあげる様になりました、そして二匹仲良く栗を食べるのでした。
猿と猫と栗 完
2022・8・14
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