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愛情実証実験
第三章
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「泳がないといけないわ」
「ですが僕は」
「水着持ってきていないの」
「はい、考えていなかったので」
「ならレンタルすればいいわ」 
 さりげなく逃げ道を塞いだ。
「そうしてね」
「一緒にですか」
「泳ぎましょう」 
 二人で水着になろうと言うのだ、こう言ってだった。
 今度は自分の水着姿を見せて相手の素肌も見た、そしてだった。
 その夜は一緒に飲んだがその時も胸元を見せた。この時はそれで終わりだったが。
 暫くして今度は彼を自分の部屋に呼んで二人きりになると。
「抱き締められてだね」
「告白されました」
 教授に彼の研究室で話した。
「そうされました」
「遂にだね」
「はい、恋愛はです」
「刺激的な外見と接近によって変わる」
「それもかなり」
「はい、何も言わなくても」
 それでもというのだ。
「相手を視覚から刺激していき」
「それを続けるとだね」
「相手、対象はです」
「自分からアプローチをしてくるね」
「ただしです」 
 天は冷静に述べた。
「対象が若く健康で」
「それでだね」
「しかも受ける刺激がその対象に過剰であるなら」
 その場合はというと。
「衝動的かつ過激な行動に移る場合があります」
「二人きりになるとだね」
「そうなります」
「それが告白だね」
「強く抱擁されたうえでの」
 天はここでは抱き締められたことを学問的に表現した。
「その行動に移ります」
「そうなるね」
「はい、ここで若しその行動を否定しますと」
 天はそうした行動を取った場合についても話した。
「対象は既にその行動を感情的に制御出来なくなっていますので」
「強引でもだね」
「欲求を実現しようとします」
「では君はそうしたのかな」
「口では一旦」
 天は否定しなかった。
「そうしました」
「そうするとだね」
「それでは今までのことは何だったのかと言われ」
 国本、彼にというのだ。
「そして嘘だと言われ」
「それからだね」
「止まりませんでした」
「よくわかったよ、それでこれまでのことをだね」
「実験でしたが」
 それでもというのだ。
「常に書いていましたし」
「論文としてまとめてだね」
「学会で発表します」
「わかったよ、しかしね」
 ここまで聞いてだ、教授は天に問うた。
「君は何故国本君を対象に選んだのかな」
「そのことですか」
「うん、そして今君達はどうなっているのかな」
「同棲をはじめました」
 一言でだ、天は答えた。
「そうしました」
「そういうことだね、つまり最初から彼を」
「ご想像にお任せします」 
 天は微笑み顔を赤くさせてだった。
 こう言った、そして国本が大学院を卒業し博士号を修得したうえで都内の有名な動物園に就職する
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