第三章
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「刺客もね」
「それは大変なことよ」
「ええ、だから主人が守っているけれど」
それでもというのだ。
「いざという時は主人も魔法を使って」
「王子様を助けて下さるのね」
「その時は私もね」
「王子様をお助けするのね」
「そうするわ」
こう言ってだった。
姉は自分の夫と話して王子の身辺を警戒してだった。
暫くして妹がいる教会に来て彼女に話した。
「王子様に刺客が送られるそうだから」
「えっ、そうなったら」
「そう、だから主人があの人を烏に変えたから」
その姿をというのだ。
「ここに飛んできてもらうから」
「匿えばいいのね」
「そうしてくれるかしら」
「わかったわ」
妹は姉のその言葉に真面目な顔で頷いた。
「それではね」
「ええ、そうしてね」
こう話してだった。
妹に烏が教会に来ると受け入れる様にさせた、するとすぐに一羽の烏が教会に来た。その烏をだった。
オールウェンは烏に真剣な顔で尋ねた。
「王子様ですね」
「そうだ、宮廷にいる魔術師に助けてもらってだ」
「お姿を烏に変えてもらってですね」
「宮廷から逃がしてもらった」
そうなったとだ、王子は烏の姿で話した。
「有り難いことに」
「そしてこの教会までですね」
「逃げる様に言われたのだ」
「お話は聞いています、では」
「宜しく頼むよ」
「それでは」
オールウェンも頷いてだった。
烏となった王子を教会に匿った、彼女はこれで難を逃れられたと思ったがガーサが夫である宮廷魔術師のオリバー青い目で黒いフードから金髪が見える鼻の高い端整な顔立ちの彼と共に教会に来てだった。
オールウェンにだ、血相を変えて言ってきた。
「大変よ、公爵さんが王子を探していてね」
「この教会にまで?」
「来るみたいよ」
「そうなの」
「どうすべきかしら」
「ここは知恵の使いどころだ」
オリバーは慌てる姉妹に話した。
「まさにな」
「それはわかっているけれど」
「王子は見つかることはない」
オリバーは自分の妻に話した。
「このことは安心していい」
「烏になられているから」
「公爵も王子が今烏に姿を変えておられることはご存知だが」
「烏は飛べるわ」
「森の木の中に入れば」
そうすればというのだ。
「それでだ」
「大丈夫ね」
「それでな、だが」
「それでもなのね」
「公爵様が皇子を害しようとすることを何とかだ」
このことをというのだ。
「王子の兄上である王に知ってもらいたい」
「その為には」
「そうだ、魔法を使うか」
「そうするのね」
「私に考えがある」
オリバーはガーサに話した。
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