第二章
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「本当に」
「そういえば私も行ったことのない区あるわ」
結衣は言われて自分もとだ、同じ高校でクラスメイトなので知り合って同じ卓球部ということから仲良くなって付き合っている彼に。
「平野区はね」
「行ったことないんだ」
「ええ、けれどね」
敦弥にさらに話した。
「機会があったら」
「今回みたいなかな」
「ええ、その時はね」
「平野区にも行くんだね」
「そうするわ」
こうした話をしながらだった。
一緒に寺に向かった、そしてだった。
その寺を訪問するとだ、年老いた住職は二人を迎えて来た理由を聞いて言った。
「柿の木を見たいならな」
「それならですか」
「見るだけじゃなくてな」
こう結衣に言うのだった。
「実を貰ってくれるかい?」
「柿の実貰っていいんですか」
「実はわしも家族も最近腹の調子が悪くて」
住職は困った顔で話した。
「柿は身体を冷やすから」
「お腹の調子が悪いとですか」
「あまり消化もよくないから」
だからだというのだ。
「毎年食べているけれど」
「今年はですか」
「食べられなくてね、ご近所の人にも食べてもらうし」
柿の実をというのだ。
「それでも余るだろうから」
「私達もですか」
「好きなだけ持って行って食べてくれたら嬉しいよ」
結衣それに敦弥に言うのだった。
「だからね」
「今からですね」
「貰って行ってくれ、変なのも出たしね」
「変なのですか」
「行ったらわかるよ」
こう結衣に言って柿の木のところに行かせた、結衣はそれを受けて敦弥と共に境内の柿の木がある場所に行ったが。
そこに真っ赤な顔の僧侶がいた、二人はその僧侶を見て言った。
「変なのって」
「この妖怪だね」
「たんころりんね」
「大阪にもいるんだ」
「おお、わしのことを知っておるか」
赤もっと言えば柿色の顔の僧侶は二人の言葉に嬉しそうに応えた。
「よいぞよいぞ」
「うちの学校にもいますから、たんころりん」
「神戸の八条学園に」
二人で僧侶即ちたんころりんに応えた。
「柿の木があって」
「そこにいますから」
「それで私達も知っています」
「元々宮城県の方の妖怪ですね」
「わしは柿の実が長く木にあると出て来るのじゃ」
そうした妖怪だというのだ。
「だからな」
「柿の実は実ると食べる」
「木から取ってですね」
「そうするのじゃ、してお主達どうして来た」
「元々は柿の木を見る為に来たんですが」
それでもとだ、結衣は答えた。
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