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崩壊した世界で刑部姫とこの先生きのこるにはどうしたらいいですか?
幕間
幕間:丹下 真教
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に敗北した。
この世にもあの世にもいない
あいつは今までの報いをどこか分からない場所で受け続けているらしい。
「……」
そうして流れ込んできた記憶で俺はだいたい理解した。
デブの計画、異聞帯の創造は失敗したこと。
葛城財団は壊滅したこと。
俺の夢見た世界は、叶わなくなったこと。
「なんだよ…バカかよ…あんだけイキッといてそのザマかよ…。」
「ああ、残念だね。惜しい人を亡くしたよ。」
彼はもう、戻ってこない。
生きてはいないが死んでもいない。
どこにでもいるがどこにもいない。
助けることは不可能。
あいつの掲げた異聞帯という目標は儚くも崩れ去ってしまったわけだ。
「で…こいつを俺に見せてどうしろってんだよ…。」
クソデブがやられたのは分かった。
財団もなくなった。
そうした事の顛末を見せ、俺に何を伝えたいのか?
感想でもお答えしろっていうのか?
「いや、ただ一番センセイの隣にいたキミには見て欲しかっただけさ。これはあくまで、前置きというやつかな?」
前置き?
そう思うと、彼は俺に手を差し伸べてきたのだ。
「作らないかい?センセイの手を借りずに自らの手で、キミが望む世界を。ありとあらゆる人間達に不幸が降り注ぐ、キミだけが得をする最高の世界を。」
言葉を失った。
こいつは何を言っているんだと思った。
だが、なぜだろうか、
俺は何処か希望を見いだし、無意識のうちにやつの手を取っていた。
「キミには、あの葛城舞と同じように『降臨者』としての素質がある。あんな場所に数ヶ月いて狂わなかったその精神力が何よりの証拠さ。」
手を引っ張られ、彼はにこにことしながら俺を立ち上がらせた。
それよりも『降臨者』?あの葛城舞と同じ?
なんだそれは…まさか俺にフォーリナーのサーヴァントに無れるっていう資格があるのか…?
「ああ、そのまさかさ。」
心を読んだかのように、神父はにんまりと笑ってそう答えた。
こちらに微笑みかけ、細くなったその目。
全てを見透かされているような気がして、怖くなるもそれはやがて心地よい感情へと変わる。
「さぁ、見せてくれ。あの豚はまるでダメだったがキミには期待できそうだ。キミの思うがままに、やりたいように、この世界をめちゃくちゃにしてくれ、人間達の醜いところが剥き出しになった、最高の異聞帯を作り上げてくれ!!」
彼の後ろから影がぬぅっと伸びる。
そこにいるのはなんとも形容しがたい何か
燃えるような三つ目が俺を見下ろす。
床から触手が這い出て、俺の足に絡み付く。
果てしない真っ黒な闇が、いつの間にか顔が無くなった神父の中に浮かぶ宇宙が、彼方の星空が俺を歓迎する。
━━━━━━━アア……
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