第百三十話 牙刀、しがらみを断ち切るのことその九
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グリフォンマスクとマルコがそのほたるに問う。
「それでなのか」
「よかったって言うんだな」
「いえ、そうではなくて」
違うとだ。ほたるは微笑みつつ彼等に話す。
「兄さんと。分かり合えたからです」
「牙刀殿か」
「あの人とか」
「はい、最初は何かって思いましたけれど」
この世界に来てだ。それは本当にだった。
だがそうしたことがあってだ。今はこう言えたのである。
「よかったです。本当に」
「そうか。それは何よりだ」
グリフォンマスクは仮面の中からほたるに声をかけた。
「人は因果を断ち切らなければならないからな」
「だからですね」
「ユーはそれを自分でした」
だからだというのだ。
「それは非常に素晴らしいことだ」
「そうだな。では都に帰りだ」
どうかとだ。マルコも陽気に話す。
「最後の戦いの準備に入ろうか」
「はいっ、そうしましょう」
ほたるの返答はここでも明るいものだった。
「最後の最後まで一緒に戦いましょう」
「うむ、この世界の子供達の為にも」
「気合を入れていくか」
グリフォンマスクとマルコも応える。こうした話をしてだ。
ほたる達は都に戻る。一つの因果が断ち切られた。そしてそのうえでだ。また一つの因果が断ち切られようとしているのだった。
第百三十話 完
2011・12・14
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