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おぢばにおかえり
第七十二話 キャンバスライフその十一

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「その時はおトイレも汲み取りだったらしいわ」
「それ相当昔ですね」
「前の大教会長さんよりも前かしらね」
「確か女性の」
「そう、終戦直後から大教会長さんになられた方で」
 ご主人であられたその時の大教会長さんがでなおされてです、終戦直後で随分大変な時だったそうです。
「その方の時はね」
「まだ奥華の詰所は母屋じゃなかったんですね」
「そうだったの」
「そこまで昔ですと」
 新一君はここまで聞いて言いました。
「もう想像出来ないですね」
「私もよ。奥華の詰所っていうとね」 
 それこそです。
「あの母屋よ」
「そうですよね」
「それで高校と中学はね」
「母屋じゃないんですね」
「そうなのよ」
「そこは大学とかと違いますね」
「それで大学の校舎の中はちょっと案内出来ないけれど」
 在学していないからです、ですからこのことはです。
「けれどね」
「それでもですね」
「キャンバスの中は案内させてもらうわね」
「宜しくお願いします」
 新一君はにこにことして応えてくれました。
「じゃあ二人で」
「これからね、それとね」
 新一君にさらに言いました。
「図書館もね。あと博物館もよかったら」
「案内してくれますか」
「そうさせてもらうわ」
 時間があればです。

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