第七十六話 狭いが多彩な街その三
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「嫉妬するだけの力もよ」
「嫉妬するにも力必要よね」
「何かするには絶対でね」
愛は咲に話した。
「そうよ」
「やっぱりそうよね」
「それで嫉妬して」
「作品も描かれていたの」
「こうした人もいるけれどね」
「例外中の例外でしょ」
「辛いと思うのは自分が楽だからっていうし」
天理教の言葉である、何かに必死に力を注ぎ込んでいると辛いと思うことすらなくなるということである。
「それでね」
「大抵の人は必死にやってたら」
「嫉妬することもね」
「ないわよね」
「それで満足していたら」
その場合もというのだ。
「やっぱりね」
「嫉妬しないわよね」
「不満に感じていたり努力をしていないから」
「普通は嫉妬するわね」
「だから努力して」
そしてというのだ。
「不平不満を感じない人生ならね」
「嫉妬しないのね」
「そういうことよ」
「普通の人は」
「手塚治虫さんは例外よ」
あくまでというのだ。
「私も一虹四時間睡眠でずっと漫画描いて」
「しかも徹夜普通よね」
「そんな人生送っていたら」
それこそというのだ。
「そんなね」
「嫉妬するなんてないわよね」
「何処に嫉妬する余地があるか」
愛にしてもだ。
「わからないわ」
「お姉ちゃんにしても」
「だから例外だってね」
「今私にお話してくれてるのね」
「そうよ、嫉妬は見苦しいから」
「嫉妬する位なら」
「努力することよ」
そうすべきだというのだ。
「やっぱりね」
「お勉強なりお仕事なり」
「アルバイトにもね。ただね」
「ただ?」
「世の中何の努力も実績も名声もないのに」
手塚治虫が行い持っていたという全てが備わっていないというのにとだ、咲に対してこうも話すのだった。
「何故かふんぞり返ってる人いるわよ」
「何もないのに?」
「自分はこの世で一番偉いって」
「勘違いしてるのね」
「そう、しかも嫉妬深い」
「余計悪いわね」
今話しているそれまであればとだ、咲も思った。
「それって」
「そんな人もいるのよ」
「手塚さんみたいな人もいれば」
「そんな人もいるのよ」
「手塚先生は不思議でも」
咲は首を傾げさせて答えた。
「そうした人はね」
「理解出来ないでしょ」
「何もない何もしてないのに何が偉いの?」
「お家で甘やかされてね」
「いや、おかしな甘やかされ方にしても」
それでもとだ、咲はいぶかしむ顔で言った。
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