第十幕その九
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「こうしたら余計に食べられるのよね」
「お野菜が口直しになって」
ナターシャは恵梨香に微笑んで応えました。
「そうなるわね」
「うん、この組み合わせは最高だよ」
カルロスはにこにことして食べています。
「幾らでも食べられるよ」
「そうだね、色々なお肉が食べられてお野菜も食べられる」
ジョージは実際にサラダを食べてからお肉を食べています。
「これはいいね」
「お肉だけでもお野菜だけでも限度があるけれど」
それでもと言う神宝でした。
「両方あると尚更いいね」
「みたいね、しかしあたし達は食べないからね」
つぎはぎ娘はこう言いました。
「お口ではなく笑顔で味わってるわ」
「そうだよね、食べないならね」
神宝はつぎはぎ娘に応えました。
「それならね」
「ええ、あんた達が食べてね」
「嬉しい気持ちになって笑顔になる」
「それを見てね」
そうしてというのです。
「栄養にしてるのよ」
「そうだね」
「ただね」
ここで、でした。つぎはぎ娘は。
席を立ってです、こんなことも言いました。
「じっとしているのはあたしの性分じゃないからね」
「わかったわ、踊るのね」
ガラスの猫が応えました。
「さっきも踊ったけれど」
「あたしにとって歌と踊りは絶対のものでしょ」
「ええ、確かにね」
「だからよ」
それでというのです。
「今もね」
「歌って踊るのね」
「そうするわ」
「それで何を踊るのかな」
大尉が尋ねました。
「一体」
「決まっているわ、サンバよ」
つぎはぎ娘は大尉に答えました。
「今踊るとしたらね」
「そちらなんだ」
「だって皆シェラスコ食べてるでしょ」
「ああ、シェラスコはブラジルのお料理で」
「それならダンスもね」
こちらもというのです。
「やっぱりね」
「ブラジルのものだね」
「それが一番だから」
「サンバにするんだね」
「そうするわ」
「サンバといえば派手な衣装だけれど」
木挽きの馬はこのことを指摘しました。
「君は違うね」
「あたしはいつもこのまま踊ろでしょ」
つぎはぎ娘は木挽きの馬にも答えました。
「そうでしょ」
「うん、確かにね」
「だってあたしもう服着てるから」
「そうそう、君も身体自体が服だよ」
ボームさんもこう言いました。
「かかし君や樵君と同じでね」
「生きもので言うと体毛が服でね」
「君もだよ」
「身体が服よね」
「そうだよ、実際に服を着た姿になっているよ」
ぬいぐるみの身体にそのまま付いている服を見て言います、つぎはぎ娘のその服は彼女が身体を動かすとその度にひらひらと動きます。
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