第五百二十九話 運命の海戦その十二
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「いいな」
「ちっ、じゃあ怪我をしない様に戦えばいいんだな」
「それは無理かと」
れいがまた突っ込みを入れて来た。
「どう考えても」
「何でだよ」
「万丈さんですから」
彼故にというのだ。
「そうした戦い方はです」
「俺はダメージ受ける戦い方か」
「戦闘スタイルもそうで」
そしてというのだ。
「性格も」
「前に出るタイプだっていうんだな」
「それも率先して」
「実際危険を顧みないですよね」
みずはも言ってきた。
「そうですよね」
「危険だとわかっていてもな」
そうした時もとだ、グロース自身答えた。
「どうしてもな」
「身体が先に動きますね」
「俺はな」
実際にというのだ。
「そうなるな」
「そうした方ですから」
それ故にとだ、またれいが言ってきた。
「万丈さんはです」
「ダメージを受けるか」
「はい、ですが」
ここでれいは微笑んだ、そのうえで彼に言った。
「そうした万丈さんですから」
「私達も尊敬しているのだ」
マリアが参戦と共に言ってきた。
「いつも誰かの為にそうしてくれているからな」
「それでか」
「仲間を思って前に出る」
そして戦うというのだ。
「中々真似出来ることではない」
「いや、ここにいる奴は大抵出来ていることだろ」
「万丈さん程ではない」
出来ていてもというのだ。
「それでもな」
「そうなのか？」
「そうだ、だからだ」
そんなクローズだからだというのだ。
「私達は貴方が好きでだ」
「尊敬してるのかよ」
「心からな」
「俺なんか尊敬しても何もならないけれどな」
クローズは自分が尊敬されていることについてはこう言った、随分と気恥ずかしそうにしている感じである。
「正直言ってな」
「尊敬される人は自分を尊敬しろとは言いません」
「そうよね」
いろりと小紫が言ってきた。
「尊敬される人はね」
「最初からね」
「そんなことを言う位なら」
「尊敬されないわ」
「そうよね」
「そんな人はね」
「だから俺なんか尊敬するよりな」
クローズはさらに言った。
「他のもっと立派な人をな」
「尊敬するべきですか」
「万丈さんよりも」
「俺なんかより立派な人は幾らでもいるだろ」
こういろりと小紫に話した。
「そんな人を尊敬しろよ」
「そうですか」
「万丈さんよりも」
「そうだよ、そのことは言っておくからな」
戦いながら話していく。
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