第一章
[2]次話
モデルは油断出来ない
西園寺乙葉の職業はモデルである、一六七の長身に見事なスタイルはモデルならではであり。
大きな切れ長のはっきりした目に赤く艶やかな唇と形のいい鼻と顎が印象的で黒く長い髪の毛を後ろで束ねてセットしている。
モデルということでいつも友人達から羨ましがられているかというと。
別にそうでなくだ、こう言われていた。
「大変でしょ、モデルって」
「何かと」
「そうでしょ」
「まあ食べることはね」
乙葉は友人達に苦笑いで答えた。
「ボクサーの人並にね」
「節制してるのよね」
「太り過ぎない様に」
「それで痩せ過ぎない様に」
「毎日カロリー計算して」
そうしてというのだ。
「栄養バランスもね」
「考えて食べてるのね」
「本当にボクサーの人みたいに」
「そうしてるのね」
「それで運動もね」
これもというのだ。
「ちゃんとして」
「スタイル維持してるのね」
「お食事に気をつけるだけじゃなくて」
「毎日運動もして」
「そうしてるのね」
「そうなの、若しもね」
乙葉はさらに話した。
「ちょっと油断したら」
「太って」
「それでお仕事に支障が出るのね」
「そうなるのね」
「だからお酒もね」
こちらもというのだ。
「いつも飲むとか」
「そうしたことは出来ないのね」
「私達結構飲むけれど」
「それもなのね」
「中々ね」
少し苦笑いになって答えた。
「そうなの」
「色々聞いてるけれど」
「あんたもそうなのね」
「モデルだと」
「ええ、けれど好きでなったお仕事で」
それでとだ、乙葉はこうも言った。
「楽しくやってるから」
「それでなのね」
「ちゃんとしてるのね」
「お食事も運動も」
「油断しないでね」
こう言って実際にだった。
乙葉はこの日の夕食は自分で作った、鶏肉や野菜、豆腐等である。そうした食材を使ってカロリーはしっかり計算してだ。
作って食べた、そして翌朝起きるとすぐにだ。
ランニングに出た、それからシャワーを浴びて仕事に出たが。
着る服を見てだ、彼女はマネージャーに小声で囁いた。
「あの、どうしても」
「乙葉ちゃんこのデザイナーさんの服はだね」
「着こなしが難しくて」
それでというのだ。
「それで」
「うん、けれどね」
「お仕事だからですね」
「だからね」
眼鏡をかけた小柄な中年男性のマネージャーも小声で応えた。
「頼むよ」
「わかっています」
「モデルはもうね」
「着る服の好みはですね」
「それはあるけれど」
「人それぞれの好みが」
「けれどね」
それでもというのだ。
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