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猫と千羽鶴
第一章

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                猫と千羽鶴
 妻の陽子にだ、堤淳は千羽鶴を贈ってから言った。一八一の背ですらりとしていて面長で大きな優しい目と微笑んだ口元である。黒髪を短くしている。
「遂に手術が成功して」
「退院出来るわね」
「うん、長かったけれどね」
「ええ、治るって信じていたから」
 妻は夫に病院のベッドの中から話した、茶色の髪の毛をロングにしていて優し気な垂れ目で大きめの口は微笑んでいて小さな互角形の顔である。色白で背は一六〇位ですらりとしている。
「治ったのかしら」
「お互いにね、治るって思ったら」
「治るものね」
「難しい病気でね、それでそう思いながら」
 妻の病気が成るとだ。
「願掛けでね」
「鶴を折って」
「千羽になったら」
「手術になって」
「それが成功してね」
「退院になったわね」
「うん、ただね」
 ここで夫は妻に話した。
「退院したら猫飼おうってお話してたけれど」
「飼うのね」
「家族に迎えよう、それで君が入院している間保護猫でね」
 妻にさらに話した。
「いい子を見付けたんだ、退院したら一緒に会ってくれるかな」
「ええ、それじゃあね」
 妻は夫の言葉に笑顔で応えた、そうしてだった。
 実際に退院すると保護猫のボランティア団体に赴きそこにいる一匹の猫と対面した、その猫はというと。
 白毛で少し薄茶色の虎毛の模様が入っている雄猫だった、右耳が前に折れている。夫は妻にその猫と会いながら話した。
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