第百三十話 牙刀、しがらみを断ち切るのことその三
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「二人にすることは」
「そうよ。じゃあ私達もね。もうちょっと泳いだら」
「おやつにしますか」
「何があったかしら」
「バナナがありました」
そのだ。バナナがだというのだ。
「それがありますが」
「わかったわ。じゃあ二人でバナナを食べましょう」
「はい」
こうした話をする二人だった。そして実際にだ。
牙刀にはトムヤンクン、ふたばにはチョコアイスとバナナクレープが差し入れされた。そのトムヤンクンを見てだ。牙刀は言うのだった。
「美味そうだな」
「御気に召されるかと」
「ですからどうぞ」
やはり彼と共にいるだ。張?と徐晃が彼にそのトムヤンクンを差し出したうえで答える。
「琉流が作ったものです」
「これでどうでしょうか」
「済まないな」
彼女達の好意をだ。牙刀は素直に受けた。
そのうえでトムヤンクンを手に取り食べる。そしてまた言うのだった。
「ふむ。これは」
「どうでしょうか」
「美味でしょうか」
「美味い」
実際にそうだと答える牙刀だった。
そのうえでだ。こう言ったのである。
「これだけのトムヤンクンは滅多になり」
「有り難うございます、あの娘も喜びます」
「そう言って頂いて」
二人もだ。笑顔になり牙刀に応える。
その彼女達にだ。牙刀はだ。
静かにだ。こう言ったのだった。
「ではだ」
「はい、それでは」
「何でしょうか」
「貴殿等も共に食わないか」
食事をだ。誘ったのである。
「どうだろうか。それは」
「えっ、私達もですか」
「御相伴せよというのですか」
「一人で食っても美味さに限りがある」
だからだというのだ。
「それでだ。どうだろうか」
「牙刀殿がその様にですか」
「私達と一緒にお食事を」
「おかしいか」
静かにだ。二人に問うた。
「俺がこうして誰かと共に何かを食うことが」
「あの、宜しいでしょうか」
「その」
張?と徐晃は御互いを見合ってだ。
そうしてだ。こう彼に言ったのである。
「私達と一緒に食べて」
「前にもこんなことを話した記憶があるにしても」
「俺も自分で思う」
どうかというのだ。牙刀自身もだ。
「前の俺はこんなことを言いはしなかった」
「はい、御一人でおられることが多かったので」
「ですから」
「しかし今はこう言う」
自分でもだ。また言う彼だった。
「仲間と共にいたい」
「仲間、私達がですか」
「そうなのですか」
「そうだ。仲間だ」
まさにだ。それだというのだ。
「俺にも仲間がいるのだ」
「だからこそですか」
「私達もまた」
「だからだ。共に食うか」
「わかりました。それなら」
「共に」
こう話してだった。そのうえでだ。
張?と徐晃はだ。共にだった。
牙刀の傍
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